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2013 Fiscal Year Annual Research Report

肝臓脂肪蓄積とSREBP-1活性化の分子基盤解明と活性化抑制食品成分探索

Research Project

Project/Area Number 24248023
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

佐藤 隆一郎  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (50187259)

Project Period (FY) 2012-05-31 – 2015-03-31
KeywordsSREBP-1 / 脂肪肝 / メチル化 / スプライシング / 転写因子 / トリグリセリド
Research Abstract

肝臓における脂肪蓄積時のSREBP-1発現上昇の分子機構を明らかにする目的で、分子生物学的手法によりSREBP-1のスプライシングアイソフォームの定量法を樹立した。転写因子としては活性が10倍程度高いSREBP-1aが微増して、その結果としてSREBP-1c発現を上昇させる機構を想定して解析を進めた。高脂肪食を投与したマウス、肥満を呈するレプチン受容体欠損マウス(db/db mouse)の肝臓を用いた解析を行った結果、野生が賜うスの肝臓に比べ、脂肪蓄積肝臓においてSREBP-1a mRNAの有意な上昇は認められなかった。一方、SREBP-1cの有意な上昇は確認された。さらに、SREBP-1c発現がSREBP-1aに比べ高い肝臓において、SREBP-1aプロモーター領域のCpG配列のメチル化が亢進し、発現が抑制されている可能性について解析を行った。バイサルファイト法を用い、複数のプライマーを設計し、プロモーター領域のメチル化の程度を解析した。同時に、約14kb離れたSREBP-1cプロモーター領域の解析も行った。その結果、いずれのプロモーター領域もメチルかの程度は極めて低く(数%程度)、プロモーター領域のメチル化の程度で発現が制御されていない可能性が示唆された。
以上の知見より、脂肪肝発症過程において、転写因子SREBP-1cの活性化並びに発現上昇がトリグリセリド合成を上昇させ、脂肪蓄積を増大化させる際に、SREBP-1aの寄与は低く、また、その発現制御にプロモーター領域のメチル化の変動が関与する可能性の低いことが明らかとなった。
そこで同様に脂肪肝に関与が指摘される転写因子ChREBPに焦点を当て、果糖に応答した新たな脂肪肝発症機構について解析を開始した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

脂肪肝に関する転写制御に関して、当初SREBP-1のスプライシングアイソフォームの発現変動を想定した仮説を打ち立てた。それぞれのアイソフォームをモル数で定量する評価系を構築し、その発現変動について解析した。その結果、アイソフォームの発現量の絶対値を明らかにすることに成功し、必ずしも仮説のような変動をしないことを明らかにした。そこで、同様のスプライシングの違いにより活性が制御される転写因子としてChREBPを見出し、その作用に関して、果糖摂取による分子機構を明らかにする初期知見を得ることに成功した。さらに、ChREBP解析に関する種々のツールを獲得し、各アイソフォームの活性評価、機能解析など順調に研究が進行している。

Strategy for Future Research Activity

1)マウス肝臓への脂肪蓄積を上昇させる手法として、炭水化物の果糖で置換した果糖食を用意し、長期間投与を行う。肝臓脂質蓄積、血中脂質、脂肪組織脂質蓄積について定量解析を行う。
2)肝臓、小腸、脂肪組織、骨格筋において、各種遺伝子の発現変動をReal-time PCR法にて定量解析する。
3)ChREBPアイソフォームのα型、β型を定量解析する新たな手法を開発した。その手法により、脂肪蓄積の程度と郭アイソフォームの発現パターンの変動の解析を行う。
4)ChREBPの服すの追う等遺伝子のプロモーター領域を組み込んだレポーター遺伝子を構築した。これらを用いて、各種条件で飼育したマウス初代培養肝細胞を用いたレポーターアッセイを行う。
5)ChREBPα型、β型を発現させるアデノウイルスを用いて、マウス肝臓にそれぞれのアイソフォームを発現させ、脂肪蓄積を追跡する。
以上の研究解析により、肝臓への脂肪蓄積の新たな主要調節因子としてのChREBPの役割について分子細胞生物学的な知見を得る。さらに、転写因子SREBP-1のうち、機能的に重要な働きをしているSREBP-1cとChREBPの機能相関について、解析を進めて行く。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014 2013 Other

All Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] ChREBPβの組織における発現分布と機能の解析2014

    • Author(s)
      井上聖哉、井上順、Shimizu Makoto,佐藤隆一郎
    • Organizer
      日本農芸化学会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      20140328-20140330
  • [Presentation] 脂質代謝制御の分子食品科学研究2013

    • Author(s)
      佐藤隆一郎
    • Organizer
      日本栄養・食糧学会大会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      20130524-20130526
    • Invited
  • [Presentation] SREBP活性を抑制する食品成分の探索・解析2013

    • Author(s)
      宮田 慎吾、井上 順、Shimizu Makoto、佐藤 隆一郎
    • Organizer
      日本栄養・食糧学会大会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      20130524-20130526
  • [Remarks] 東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 食品生化学研究室

    • URL

      http://webpark1213.sakura.ne.jp/

URL: 

Published: 2015-05-28  

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