2013 Fiscal Year Annual Research Report
管路更生工法の力学挙動の解明ならびに耐震性を考慮した限界状態設計手法の確立と検証
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24248040
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河端 俊典 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20335425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 一哉 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00362765)
有吉 充 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (10414442)
毛利 栄征 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, その他 (90373224)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パイプライン / 農業工学 |
Research Abstract |
当研究課題は,下水道管路更生工法技術を,極めて複雑な構造を有する農業用水用パイプラインへの適用するために,未解明である管路更生工法の農業用水特有の力学条件下での埋設挙動やその耐震性能を,大規模な埋設実験や振動台実験ならびに数値解析から明らかにし,農業用水用パイプラインにおける管路更生工法の耐震性を考慮した設計手法を確立し,老朽パイプラインの長寿命化に資するものである. 今年度は,計画通り,米国コロンビア大学理工学部において,遠心力載荷模型実験を遂行した.実験に使用した土槽は幅608mm,奥行き400mm,高さ380mmのアルミ製である.模型地盤はネバダ砂によって,相対密度20%の緩詰めで作製した.内側に挿入される更生管模型として,VU管とVP管を使用した.更生管内部にはひずみゲージを32枚貼付した.既設管模型としてアルミ片を使用した.アルミ片は既設管の損傷レベルに応じて,それぞれ2分割片,4分割片,8分割片,16分割片を使用した. 供試管は,更生管の周囲に既設管のアルミ片を取り付けることで作製した.実験は,供試管を乾燥砂に埋設後,21.4Gの遠心力場で地表面から200kPaまで載荷した.なお,載荷には幅150mmのエアバッグを用いた.実験条件として,既設管の損傷レベル,更生管の管種(環剛性)を変化させた. その結果,遠心力模型実験によって,更生後の終局状態にある既設管は更生管に対して影響を与えないことが明らかになった.一方,既設管の損傷レベルによっては局所的にひずみが卓越することから,既設管が更生管に与える影響について検討する際,既設管の損傷が初期状態と終局状態にある場合だけでなく,その中間的な損傷状態においても段階的に検討する必要があることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた,コロンビア大学理工学部における遠心力載荷模型実験は,事前調整,成果打合せなどを含めて,計画通り遂行することができた.また,データ整理やメンバーでの討議を経て,国内外の学会や学術雑誌への投稿も計画通り推進している. 今後は,国内で作製した,同一の埋設実験装置を使用し,さらに損傷程度を変えた追加実験などを行う必要性があるため,追加実験遂行予定である. また,次年度に計画している農村工学研究所での大型振動台実験の最終計画立案に対して,極めて有益な結論を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度は,1G場における大型模型埋設実験,H25年度は,米国コロンビア大学における遠心力載荷模型実験を計画通りに遂行した. 今年度は,計画に従って,農村工学研究所所有の大型振動台装置を用いた動的挙動の解明を主体として研究を推進する.具体的な内容は以下の通りである. (1)φ150mmクラスの継手を有する老朽管模型を8本以上連結した模擬老朽管路を製作する.なお,更生管の挙動を正確に捉えるため,周軸2方向のストレインゲージを更生管外面に十分な保護のもと貼付する.(2)次に,継手を有する模擬模型老朽管路内に,一体ものの模型更生管(4m相当の塩ビ管あるいは鋼管)を挿入し,実験用供試管路を構築する.(3)実験用供試管周辺には土圧計,加速度計などセンサーを多数配置し,実験の地盤挙動を詳細に計測する.なお,土圧計,加速度計を新規に計上する.(多くは農工研所有の計測システムおよびセンサー類を使用する.)また,追加計測機器を補充する.(4)模型地盤には,農工研所有の霞ヶ浦砂を使用する.なお,地盤密度は緩詰ならびに密詰状態を検討する.(5)構築した老朽管模型を土被り30cm程度の深さに埋設し,軸方向に振動波形を入力した振動台模型実験を実施する.なお,入力波は,5Hz sin波を基本とするが,東日本大震災を受けて長周期振動も検討予定である.(6)構造物際の特性を考慮した実験計画を検討する.(7)上記実験結果を基に,耐震性の観点から,老朽管が更生管に与える影響に関して検討し,必要ならばさらに経済性を考慮した,薄肉条件の更生管模型を試作し,追加実験を行う.得られた成果を国内外の論文集などに広く公表する.
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[Journal Article] Mechanical Behavior of Buried Inner Rehabilitated Pipes Affected by Aging Pipes with Different Damage Level2013
Author(s)
Kawabata,T., Sonoda,Y., Ono,K., Mohri,Y., Ariyoshi,M. and Ling,H.I
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Journal Title
Proceedings of 23rd International Offshore and Polar Engineering Conference, ISOPE2013
Volume: 2013
Pages: CD
Peer Reviewed
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