2013 Fiscal Year Annual Research Report
心不全心筋組織における「やわらかさ」の意義とその応用による外科的治療法の開発
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24249070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤 芳樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00243220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 宏之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00529208)
吉川 泰司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40570594)
宮川 繁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70544237)
福嶌 五月 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80596867)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心不全 / 拡張能 |
Research Abstract |
1心不全の病態として、心臓の収縮性はもちろんのこと、拡張性の障害が主な要因であることが知られている。拡張不全を避けるために、内科的薬物治療が行われているが、病勢の進行を抑える効果はあるものの、重症の心不全のように、完成してしまった硬い心臓に関しては、その治療効果は薄く、有効な治療法もないのが現状である。本研究の目的は、心不全における心臓の硬さの機序を解明すると同時に、収縮力のみならず、硬くなった不全心の拡張性をも改善させうる新しい外科的治療を模索することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筋芽細胞シートによる不全心の拡張能の改善が分子生物学的、機能的に証明されており、また、いわゆる薬剤治療である筋芽細胞シートの心筋再生のメカニズムを解明しつつ、その知見をもとに、パラクライン効果の元となる新規薬剤を開発することが可能となった。上記のような筋芽細胞シートを模倣する可能性のある薬剤を開発し、同薬剤を不全心に投与することにより、不全心の線維化の抑制、それに伴う拡張性の向上が大動物心不全モデル、小動物心不全モデルにて証明された。心臓の拡張性と関連する細胞外基質のコンポーネントを同定することが可能となり、拡張性心不全において治療のターゲットとすべきコンポーネントが判明し、全体的に概ね順調に進展しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、筋芽細胞シートのもつ線維化の抑制のメカニズム、心臓の拡張性の解析を行い、筋芽細胞シートで得られた知見から新規薬剤を開発し、大動物・小動物心不全モデルを用いた線維化、不全心の拡張性の検討を行ってきた。今後、拡張性を適切に定量化できる臨床にも簡便に使用できる検査方法を確立するとともに、新規薬剤の使用により拡張性が改善するかを定量化していくことを予定している。また、ヒトの組織を用い、拡張性と組織学的特徴に相関があるかを検討していく予定である。
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