2012 Fiscal Year Annual Research Report
培養骨髄細胞を併用した脚延長術の基礎実験ー医師主導型治験開始と効率化の基礎研究ー
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24249076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 直樹 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20212871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 正明 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (70283439)
西田 佳弘 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50332698)
鬼頭 浩史 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40291174)
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60378198)
加藤 勝義 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80595520)
金子 浩史 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (60566975)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 培養骨髄細胞 / 骨芽細胞 / 脚延長術 / ヒト幹細胞 / RUNX2 |
Research Abstract |
① 安全性担保の非臨床試験データの補充:体内動態試験:生体内に移植された骨髄由来骨芽細胞の運命についてGFP遺伝子導入ラットを用い全ての臓器にわたって移植細胞生存の有無を確認する目的で検討なった。移植細胞は主として局所に留まり、一部は肝臓などの組織に移行するが経時的にその数を減じることが示された。安全性薬理試験:上記のラットを用いて中枢神経系、循環器系、呼吸器系への影響を観察する。肉眼的観察では異常を認めなかった。抗GFP抗体による免疫染色を行い、陽性細胞の有無を検討した。結果は一部臓器への移行があったが、早期に消失した。3)単回投与毒性試験:Platelet rich Plasma中の成長因子等の測定を行った。4)核型分析、造腫瘍試験、軟寒天コロニー試験:GFP遺伝子導入F344ラット由来の細胞をF344ラットに移植して長期観察し、腫瘍発生の有無を検討中である。組織学的には核異形を認めていない。遺伝子検査を実施した。 ② 臨床研究:高度医療として「培養骨髄細胞移植の併用による骨延長術」は臨床研究の許可を得て、臨床研究を続けている。当初5例については効果安全委員会の審査を受けて、厚生労働省に提出を行った。患者のリクルートは順調に進行しており、期間内での臨床研究終了は可能であると予想している。 ③ 効率的治療を目指した基礎研究結果の統合:骨髄幹細胞に働きBMP増強作用からRUNX2の発現を上昇させる既知化合物を見出した(特願071264)。臨床応用の可能性を検討し基礎研究を行った。この物質の持つ幹細胞に作用して骨芽細胞への分化促進の機序を解明した(論文準備中)。幹細胞培養中に添加すると、骨芽細胞への分化・活性化から、ALP活性上昇、Ca沈着促進が、骨折モデルでの骨量増加・治癒促進を確かめた。担体と組み合わせての骨補填剤開発について企業と交渉を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非臨床試験については順調に進行している。長期の安全性試験についても問題なく進行している。過去の臨床研究対象者の長期成績フォローアップも問題なく行われており、悪性腫瘍を始めとする重大な問題は起きていない。安全性関わる非臨床・臨床データは順調に蓄積されている。 臨床試験の実施は当初プロトコールの変更、効果安全対策委員会の設置などで症例の組み入れが中断されたが、それらも解決し順調に進んでいる。一例に予期せぬ副作用があったがこれも効果安全委員会、および監督官庁での審査を経て問題なく臨床研究実施可能との返事を得た。臨床研究の遂行には全く問題は起きていない。今後は出口についての議論を深める必要がある。 基礎研究の実施ではRUNX2の発現増強物質の臨床使用についてTR拠点サイトビジット、拠点報告会などで報告し、委員を始めとして出席者から評価を受けている。企業との話し合いを初めている。骨補填材料と組み合わせて医療材料としての開発の可能性を検討している。同様な効果が期待できる他の作用機序を持つ化合物についても検討を進めており、良好な結果を得ている化合物が複数見つかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
非臨床試験の実施:有効性と反復投与に関わるデータは過去の臨床研究で単回投与(主に脚長差症例)と2回投与症例について安全性評価を目的に臨床データの収集をおこなう。動物実験としてはGFP遺伝子導入ラット由来の移植細胞を反復投与して全身臓器で組織学的に残存を検討する。設備の課題:調製する培養骨髄細胞をGMP基準に準拠して院内製造できる能力を有する事の証明について臨床研究拠点のサイトビジットを利用する。「培養骨髄細胞移植の併用による骨延長術」について医療としての適切性の審査を行う「承認審査」の可能性につきPMDAの相談を再開する。治験中核病院となったことで人材的な支援も得られており、前臨床安全性データを作成後、医師主導型治験についても実施可能とは考えている。開発経費の面から高度医療からの保険収載の可能性についても探る。 臨床研究の実施:先進医療としての臨床研究開始に伴い、プロトコールの見直しがあって開始が遅れた。現在は対象患者のリクルートも順調である。5例ずつ効果安全委員会での審議、厚生労働省の報告を行っているが、病院の支援が受けられており、当初の遅れを取り戻しつつある。期間内での目標症例数の到達は可能である。 基礎研究の実施:RUNX2活性化化合物(特願071264)は担体と組み合わせて骨補填材料として開発を進める。材料メーカーと化合物の除放化を可能とする骨補填材料を医療材料として開発するものである。除放化に向けて最適な作用時間と濃度決定の実験を開始した。更に、我々はWntシグナルに働く化合物を特定し、この構造解析から複数の候補化合物を得ている。これら化合物はWnt、SOX9を介してRUNX2調節に働く可能性がある。既にWntを介してSOX9調節に働く化合物で軟骨細胞の生存に寄与する物質を特定し、最終的に骨芽細胞分化促進もしくはRUNX2調節が可能であるか検討を開始した。
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Research Products
(34 results)
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[Journal Article] MicroRNA-125b regulates the expression of aggrecanase-1 (ADAMTS-4) in human osteoarthritic chondrocytes.2013
Author(s)
Matsukawa T, Sakai T, Yonezawa T, Hiraiwa H, Hamada T, Nakashima M, Ono Y, Ishizuka S, Nakahara H, Lotz MK, Asahara H, Ishiguro N.
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Journal Title
Arthritis Res Ther.
Volume: 15(1)
Pages: R28
Peer Reviewed
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[Presentation] Factors Correlated With The Pathological Fracture And Clinical Outcome In Patients With Unicameral Bone Cyst.2012
Author(s)
Urakawa H, Hosono K, Sugiura H, Nakashima H, Yamada Y, Tsukushi S, Arai E, Kozawa E, Futamura N, Ishiguro N, Nishida Y.
Organizer
The 9th Asia Pacific Musculoskeletal Tumor Society Meeting,
Place of Presentation
Kuala Lumpur (Malaysia)
Year and Date
20120906-20120909
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