2013 Fiscal Year Annual Research Report
培養骨髄細胞を併用した脚延長術の基礎実験ー医師主導型治験開始と効率化の基礎研究ー
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24249076
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 直樹 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20212871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 正明 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (70283439)
西田 佳弘 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50332698)
鬼頭 浩史 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40291174)
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60378198)
加藤 勝義 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80595520)
金子 浩史 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (60566975)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 培養骨髄細胞 / 骨芽細胞 / 脚延長 / ヒト幹細胞 / RUNX2 |
Research Abstract |
非臨床試験の実施:動物実験としてはGFP遺伝子導入ラット由来の移植細胞を反復投与して全身臓器で組織学的に残存を検討した。局所投与及び全身投与された場合の移植細胞の運命を明らかとした。骨芽細胞様細胞に分化させた場合、局所投与での移植細胞生存が確認された(Bone Joint Res 2014;3(3):76-81)。 臨床研究の実施:大腿骨、下腿骨を対象として臨床研究を継続している。プロトコルの変更申請を行い、反復投与が可能となった為に反復投与の前向き研究データ収集も可能となった。過去の臨床研究で単回投与(主に脚長差症例)と2回投与症例について後ろ向き研究を行った。長期経過例の安全性評価に反復投与例でも問題がないことを確認した。 施設基準の更新:調製する培養骨髄細胞をGMP基準に準拠して院内製造できる能力を有する事の証明について臨床研究拠点のサイトビジットを受けた。更に本年はISO 13485の更新審査を受け、更新が認可された。当院はTR拠点としての支援も受けており、臨床研究支援センターの全面的支援を受けている。対象患者のリクルートは順調に進んだ。5例毎に効果安全委員会での審議、厚生労働省の報告を行った。期間内での目標症例数の到達は可能であるとの感触を得ている。大きな副作用事故は発生していない。 基礎研究の実施:RUNX2活性化化合物(特願071264.PCT出願済み)は担体と組み合わせて骨補填材料として開発を進めた。材料メーカーとの共同研究で試作品の提供を受けて動物実験を開始した。従来の骨補填材料に比較して骨誘導能を持つ骨補填材料になることを動物実験において確認した。更に大型の動物で骨欠損モデルにおいて、本化合物が骨形成促進に働くことを確認する実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非臨床試験:移植細胞の運命に関する基礎データを構築し論文化した(Bone Joint Res 2014;3(3):76-81)。長期の安全性試験についても問題なく進行している。安全性関わる非臨床データは順調に蓄積されている。 臨床試験:当初プロトコルの変更が認可された。効果安全対策委員会での症例検討でも指摘を受けることなく、順調に進み、それを厚生労働省に報告している。プロトコルの変更で前向き研究での反復投与症例の組み込みが可能となった。過去の臨床研究対象者の長期成績フォローアップも問題なく行われており、悪性腫瘍を始めとする重大な問題は起きていない。臨床研究の遂行には全く問題は起きていない。TR拠点のサイトビジットの際には出口戦略の議論を開始するように指導を受けた。今年度中に監督官庁と接触を予定している。 新規治療開発・基礎研究:RUNX2の発現増強物質の臨床使用について企業との受託研究契約を結ぶ予定である。臨床開発には更に巨額の研究費を必要とするので企業と共同して公的研究費の獲得を目指す。同様な効果が期待できる他の作用機序を持つ化合物についても検討を進めており、良好な結果を得ている化合物が複数見つかり、製薬企業との交渉を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
非臨床試験の実施:長期に渉る安全性データの収集を継続して行う。 設備の課題:設備、組織の課題はそれぞれISO再認定、TR拠点・臨床中核拠点のサイトビジットを受けて、ほぼ解決された。現在の先進医療を継続するに問題はなく、更に医師主導型治験を行うについても施設面では問題ない。「培養骨髄細胞移植の併用による骨延長術」について医療としての適切性の審査を行う「承認審査」の可能性につきPMDAの相談を再開する。開発経費の面から高度医療からの保険収載の可能性についても探る。この問題についてはサイトビジットでは議論された。 臨床研究の実施:プロトコルの見直しがあって開始が遅れたが、対象患者のリクルートも順調に進んでいる。5例ずつ効果安全委員会での審議、厚生労働省の報告を行っているが、病院の支援を受けつつ進めている。患者の会(つくしの会)の支援も受けている。期間内での目標症例数の到達は可能である。 基礎研究の実施:RUNX2活性化化合物(特願071264)は担体と組み合わせて骨補填材料として開発を進める。化合物の除放化を可能とする骨補填材料を医療材料として開発することについてPMDAと相談を開始する予定である。他に類を見ない高機能医療材料としての開発を目指して、更に加速させる予定である。更に、骨分化に関わる物質の検討を開始している。既に特許出願を行い、製薬企業と共同開発における問題点を検討している。更に創薬基盤研究所との面会も決定した。全ての可能性を探って研究成果の確実性を高める努力を続ける。
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Research Products
(21 results)