2016 Fiscal Year Annual Research Report
Emergence of the first farming societies in the Southern Caucasus
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24251014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西秋 良宏 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (70256197)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コーカサス / メソポタミア / 新石器時代 / 中石器時代 / 農耕牧畜 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、西アジア新石器時代に成立した初期食料生産経済の北方への拡散、すなわちコーカサス地域における二次的新石器化の内容をアゼルバイジャン共和国での野外調査をとおして明らかにしようとするものである。これまでに、当地最古の新石器時代遺跡、ハッジ・エラムハンル・テペなどの発掘を実施し、新石器文化の到来時期、内容、発展過程を詳細にさだめることができた。これに加えて、平成28年度は、以下のような研究をおこなった。 (1)野外調査。8月にアゼルバイジャンにて中石器時代遺跡、ダムジリ洞窟の発掘調査を実施した。調査の結果、農耕到来直前にあたる前8千年紀末の文化層を発見した。その解析によれば、中石器文化のうち一部は新石器時代にも継続していることがわかった。すなわち、在地民も新石器文化形成に貢献していたことを証明できた。 (2)データ解析。これまでに得たデータを分析し、新石器文化の到来、発展プロセスにかかわる論文執筆、講演等をおこなった。重要な論文の一つは、ハッジ・エラムハンル・テペ出土のヤギ骨をミトコンドリアDNA分析したものである。コーカサスには野生ヤギがいるにもかかわらず、家畜用のヤギは西アジアから持ち込まれていたことを証明した。 (3)成果の社会発信。発掘標本を借用し、次の二つの展覧会を実施した:国際共同展示『Qafqaz Neoliti ―東京大学アゼルバイジャン考古学調査2008-2015』(東京大学総合研究博物館・アゼルバイジャン考古学民族学研究所共催、2016年5月14日~12月22日)・クローズアップ展示『南コーカサスで農耕牧畜の起源を探る』(古代オリエント博物館・東京大学総合研究博物館共催、2017年2月11日~2017年3月26日)。いずれも最新の研究成果を盛り込んだ学術展示である、好評を博した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(27 results)