2012 Fiscal Year Annual Research Report
新自由主義改革後の国家社会関係─中南米における社会支出予算決定過程の比較研究
Project/Area Number |
24252005
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 勇介 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (70290921)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新木 秀和 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (80276039)
出岡 直也 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (50151486)
内田 みどり 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (10304172)
浦部 浩之 獨協大学, 国際言語文化学部, 教授 (30306477)
遅野井 茂雄 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (60257441)
狐崎 知己 専修大学, 経済学部, 教授 (70234747)
住田 育法 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (40360242)
高橋 百合子 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (30432553)
田中 高 中部大学, 国際関係学部, 教授 (10217044)
二村 久則 名古屋大学, 国際開発研究科, 名誉教授 (30156939)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 政治学 / 政治過程 / 国家社会関係 / ポスト新自由主義 / ラテンアメリカ / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本年度は、本研究計画の第一段階にあたる年であった。歴史的経緯や構造的条件との関連も含め、1990年代の新自由主義期と2000年代のポスト新自由主義期の社会支出予算決定過程の動態的調査分析を行った。研究対象国ごとに、1990年代と2000年代を比較しつつ、決定過程と主要アクターを特定し、国家社会関係の形態と今後の展望を明らかにする作業をすすめた。現地調査は、既に蓄積のある政党以外のアクター、つまり国家諸機関や市民・社会運動、利益団体などに対し重点的に実施した。 調査研究対象国は、アルゼンチン、ブラジル、ボリビア、チリ、コロンビア、キューバ、エルサルバドル、エクアドル、グアテマラ、メキシコ、ニカラグア、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラの14ヶ国である。また、担当は、内田がウルグアイ、住田がブラジル、出岡がアルゼンチン、山岡がキューバ、浦部がチリ、二村がコロンビア、遅野井がボリビア、坂口がベネズエラ、高橋がメキシコ、新木がエクアドル、狐崎がグアテマラ、田中がエルサルバドルとニカラグア、村上がペルーであった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年5月22日、12月15日、2013年1月7日と、3回にわたり研究会を実施し、事例を相互に比較分析するとともに、分析枠組みの検討を実施した。第1回目と第3回目の研究会は、研究分担者以外の研究者をまねき、ワークショップも同時に開催した。また、日本ラテンアメリカ学会第33回定期大会において、パネルC「ポスト新自由主義期ラテンアメリカにおける民主主義の課題─中央アンデスの事例から─」を企画し(2012年6月2日、中部大学春日キャンパス)、本研究が前提とする仮定についての議論をふかめた。さらに、2013年2月2日と3月7日に、ラテンアメリカ(エクアドル、ボリビア、ホンジュラス)から研究者を招聘し、シンポジウムを開催し、本研究課題の分析についてラテンアメリカ人の研究者との議論をおこなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載した研究計画どおりに進める予定である。すなわち、来年度は、研究の第二段階で、国家社会関係の形態や背景、今後の展望について、事例間の共通性と相違点を検証する。社会支出の規模の同じ国の間の比較も実施するが、規模の異なる諸国グループの間の比較に分析の重点をおき、規模の相違が生じた背景や条件、過程を立体的に究明する。共通の分析枠組みによる、そうした作業をつうじて、中南米に関して一般化を行い、比較分析枠組みの汎用性を高めるよう検証をくわえる。現地調査は、前年度の調査で不十分であった部分を洗いだして実施する。そして、研究の最終段階にあたる最終年度は、現地での補足調査を実施するとともに、他地域との予備的な比較による理論化の方向性を考察する。補足調査は、前年度の中南米に関する比較研究をまとめる段階で発見された必要性に応じて実施する。補足調査の結果を受け、中南米に関する研究成果と分析枠組みの完成度を確認する。そして、年度の後半に中東欧および東南アジアとの比較研究を行い、調査研究の結果と比較分析枠組みの一般化の方向性を探求する。
|
Research Products
(12 results)