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2015 Fiscal Year Annual Research Report

巻貝左右性の生態機能と長期動態

Research Project

Project/Area Number 24255004
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

浅見 崇比呂  信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (10222598)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 生形 貴男  京都大学, 理学研究科, 准教授 (00293598)
吉村 仁  静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10291957)
堀 道雄  京都大学, 理学研究科, 名誉教授 (40112552)
松野 健治  大阪大学, 理学研究科, 教授 (60318227)
遠藤 一佳  東京大学, 理学系研究科, 教授 (80251411)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2017-03-31
Keywords左右性
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、マレイマイマイ属で、発生の鏡像型と実像型(左右二型)が持続的に共存するメカニズム、および巻貝一般に特徴的な鏡像進化を抑制・促進する要因を検証することにある。同一集団の右巻と左巻は、たとえ交尾できなくても、遅滞遺伝ゆえにゲノムを共有し、同所的には種分化しない。むしろ、多数派と交尾できない少数派が淘汰され、集団は単一の巻型に固定する。この原理に反する二型現象は、古典的なパラドックスとして知られる。これまでに、東南アジアに広く分布する本属に着目し、豊富に現存する野生集団を発見し、二型が積極的に共存する事実をつきとめた。交尾様式から不可能とされてきた異型交尾(右巻×左巻)を本属が容易に
行うことを発見した。その結果、それでは説明できない二型頻度の事例が発展問題として浮上した。本学術調査の主眼は、以上の経緯から導かれる左右性の生態機能を理解することにある。長期動態追跡:雨季(5~10月)に方形区の二型頻度を調査し、頻度1:1からの有意なずれが長期的に継続することをつきとめた。交尾行動を記録する撮影手法が大きく改善し、これにより左右二型の間の交尾行動にみる特徴的な段階を記録することにより、求愛行動の段階で交尾予定の相手の左右性を判別せず、特徴的な交尾行動だけで左右二型の交尾を容易に実現していることを示唆する結果を得た。天敵であるトガリセダカヘビの捕食実験により、トガリセダカヘビは左巻のカタツムリを識別し、同サイズの右巻と比べ、捕食効率が低い左巻の捕食は能動的に回避している証拠を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

求愛行動の段階で交尾予定の相手の左右性を判別せず、特徴的な交尾行動だけで左右二型の交尾を容易に実現していることを示唆する結果を得た。さらに、天敵であるトガリセダカヘビの捕食実験により、トガリセダカヘビは左巻のカタツムリを識別し、同サイズの右巻と比べ、捕食効率が低い左巻の捕食は能動的に回避している証拠を得た。これらは従来の予測を覆す結果である。

Strategy for Future Research Activity

野生集団での右巻と左巻の間の交尾頻度がランダム交配で期待される頻度よりも有意に高い現象が、二型の頻度が50%ではなく偏った集団に特徴的である証拠を得る。トガリセダカヘビの樹上性カタツムリに対する捕食行動を解析する。二型頻度の長期動態調査を継続する。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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