2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24300015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 昌宏 東京大学, 大規模集積システム設計教育研究センター, 教授 (70323524)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 組込みシステム / 検証・デバッグ |
Research Abstract |
電子機器システム(ハードウェア・ソフトウェア混在システム)では、大規模かつ複雑な設計過程の効率化のため、積極的に既設計再利用が行われている。再利用は個々のブロック単位で行われ、新規設計に要求される機能と、ライブラリなどに登録されている既設計が等価であることを確認する必要があり、形式的等価性検証手法などを使って効率化する技術を研究開発してきた。本研究では、不等価で機能に差異がある場合でも、その差異を除いた等価性検証、差異部分の機能自動抽出とその設計者への説明機能を研究開発し、既設計の再利用を大幅に効率化することを目指している。 今年度は、設計に対する入力パタンによって、2つの設計中に存在する差異を説明する手法の提案・評価と、回路の幾何学的解析によって差異を特定する手法の提案・評価を実施した。前者は、従来より研究代表者が提案している、回路中のプログラム可能素子(例えば、Look-up table等)の論理定義を求める手法に基づく。この手法では、設計中にプログラム可能素子を挿入することによって、それらのプログラム可能素子の論理が任意に変化することを考慮した上で、設計が仕様を満たすことを証明できるテストパタン集合を生成する。これを利用して、等価でない2つの設計記述に対して、片方の設計から得られたテストパタンの中で、どれが他方の設計との不等価性を示すものであるかを求め、それによって、2つの設計記述間の差異を説明することを目指している。本年度は、テストパタン生成の効率的な手法を開発した。一方、回路の幾何学的な解析による差異特定手法は、グラフマッチングに基づいている。従来のグラフマッチング手法に加えて、幾何学的に同一な部分をできるだけ大きく求めるための工夫により、従来手法に比べて、差異特定の精度を60%以上向上させることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
回路の幾何学的解析に基づく差異抽出については、従来手法をそのまま利用することを予定していたが、今年度の研究によって、従来手法より精度の高い手法を実現することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究改革に従い、今年度までに得られた差異抽出・差異認識手法を等価性検証ツールに組み込むことによって、等価性検証の結果が不等価である場合に、検証者が不等価の理由を理解できるようなフィードバックを生成する技術、加えて、等価にするためにはどの部分を修正すれば良いかを求めるデバッグ支援技術について、研究を行っていく。
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