2013 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク指向AR技術に基づく人間調和型情報通信基盤技術の開発
Project/Area Number |
24300022
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅沼 拓夫 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 教授 (70292290)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 情報通信基盤 / AR / 現実/仮想空間融合 / プラットフォーム / 見守り支援 |
Research Abstract |
平成25年度は、以下の4項目について研究開発を行った。 (1) 現実空間と仮想空間の融合アーキテクチャ:平成24年度に行った詳細設計に基づき、共生感提供機能の実装を行った。また、共生感提供機能の実装結果を踏まえ、基本アーキテクチャおよびシステムアーキテクチャの再検討を行い、モデルの大幅な改良を実施した。具体的には、現実空間の人の挙動を獲得するセンサとして距離画像センサを新たに導入したシステムアーキテクチャの拡張を行い、現実空間同士の融合を含めたシステムの詳細設計・実装、およびプロトタイプシステムを用いた実験により、その効果を検証した。 (2) ネットワーク支援AR機能:平成24年度に実施したサーバ群の設計と実装の結果を利用し、試験運用を行い、サーバ群の動作の調整等を実施した。また、ネットワーク支援レンダリング機能の詳細設計と実装を行った。具体的には、低スペックの小型携帯端末においても利用可能な共生感提供機能を実現するために、現実空間の小型携帯端末内蔵のカメラから送信されるライブストリーミング映像と、仮想空間の3D表示映像を合成し、ネットワークを介して小型携帯端末に送り返す機能を実装した。 (3) マルチカメラ利用者位置検出機能:マルチカメラ利用者位置検出機能の基本機能の設計および実装を行った。また、システム性能向上を目指して新たなセンサ群を導入し、マルチカメラとの連携を可能とする機能拡張について検討した。 (4) 見守り支援システムの構築:AR型見守り支援システムの詳細設計および実装を行った。具体的には、(1)で開発する距離画像センサを用いた共生感提供機能、および(2)で開発するネットワーク支援AR機能を統合し、ユーザインタフェースとしてHMDやタブレット型端末を用いた新たな共生感提供機能を開発した。さらに共生感提供機能の基本性能・機能を検証するための基礎実験を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「現実空間と仮想空間の融合アーキテクチャ」の研究項目において、今年度は、基本アーキテクチャおよびシステムアーキテクチャの再検討を行い、モデルの精緻化を実施する予定であった。これに対して「現実空間と仮想空間の融合」を超えて、現実空間同士、仮想空間同士を含む、空間一般の融合が可能なようにモデルレベルでの大幅な拡張を行った。また、現実空間の人の挙動を獲得するセンサとして距離画像センサを新たに導入したシステムアーキテクチャにより、拡張モデルの詳細設計・実装、およびプロトタイプシステムを開発し、それらを用いた実験により、その効果を検証した。これらは当初の計画にない大きな成果である。その他の研究項目は計画通り進捗しており、全体で「当初の計画以上に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)現実空間と仮想空間の融合アーキテクチャ:昨年度実施したアーキテクチャの精緻化 結果を踏まえ、基本アーキテクチャおよびシステムアーキテクチャの再検討を行い、モデルのさらなる高度化を実施する。具体的には、共生感提供機能のデバイスとしてHMDを新たに導入したシステムアーキテクチャの拡張、および現実空間同士を融合する基本アーキテクチャの拡張を検討する。 (2)ネットワーク支援AR機能:平成25年度に行った詳細設計と実装に基づき、表示デバイスとしてHMDに対応したネットワーク支援レンダリング機能の拡張を行う。具体的には、HMDで利用可能な共生感提供機能を実現するために、ライブストリーミング映像と、仮想空間の3D表示映像を合成し、ネットワークを介してアンドロイド装置に送り返す機能を実装する。 (3) マルチカメラ利用者位置検出機能:システム性能向上を目指して距離画像センサ等の新たなセンサ群を導入し、マルチカメラとの連携を可能とする機能拡張について検討する。 (4)エージェント指向ユビキタスソフトウェアプラットフォーム技術:マルチエージェントの概念に基づき、各種ユビキタスデバイス(端末、センサ、カメラ等)やネットワークサービスを知的エージェントとして動作させるためのユビキタスエージェント化機能を設計、実装する。 (5) 見守り支援システムの構築:i)ユーザインタフェースとしてHMDやタブレット型端末を用いた共生感提供機能の高度化を行う。また、実証実験に耐えうるシステムの安定化対策を施す。ii)超高速ネットワークや広域無線網を用いて実験環境を整備し、実証実験を行う。iii)実際の在宅高齢者等に本システムを試用してもらい、実用上の有用性、問題点を抽出する。iv)実験の結果を分析・整理し、本提案の有効性の検証を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度実施予定であった実証実験用システムの構築を、最新の機材を購入して用いる目的で、次年度の前半に行うよう研究計画を若干変更したため、物品費の執行分を次年度に持ち越しとしたため。 また、研究開発の進展状況から、今年度予定していた国際会議での成果発表を次年度に行うように計画を変更したため、旅費の執行分を持ち越しとしたため。 今年度実施予定であった実証実験用システムの構築を来年度行う予定であり、そのための最新の機材を購入するために使用する。 また、今年度予定していた国際会議での成果発表を来年度行う予定であり、そのための旅費として使用する。
|
Research Products
(12 results)