2013 Fiscal Year Annual Research Report
流れ現象の高速CG映像生成技術に向けた多角的アプローチ
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24300032
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
千葉 則茂 岩手大学, 工学部, 教授 (40171946)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / コンピュータグラフィックス / コンピュータアニメーション / 流体 / fBm / シミュレーション |
Research Abstract |
水流,炎,煙,風など流体の高速なアニメーション技術を開発するために,以下のような多角的なアプローチに基づく手法開発を並行して行った. 1.MTVFについて: (1)前年度開発の流れの表面のみに対応するマルコフ型ベクトル場MTVFによる流れのアニメーション法について,著名国際会議と学術誌に発表した.また,(2)流れの表現のためのMTVFの特性を検証するために,1次元MTVFについて調査実験を行い,今後の展開に有効な知見を得た.さらに(3)布のはためきなど他の揺らぎ現象への適用拡大を試みるためのMTVF作成の基本的なアルゴリズムを考案した. 2.fBmについて: (1)既存のクロスモデルにピンクノイズであるfBmによる非凍結型風速場を適用し,はためきのリアリティに関する風の場の有効性について確認した.また,(2)インパクトある噴出煙の表現のために,トレーサプリミティブの形状や運動モデルについて検討を行い,その有効性を確認した.さらに,(3)fBmによる風速場では障害物とのインタラクションが表現できないという欠点に対して,簡便な流れシミュレーション法を重畳させることにより,インタラクションの実現の可能性が確認できた. 3.HDEXについて: (1)渓流など複雑な地形における流れの表現に向く,流れシミュレーションと流れの底上げを行う積層型の次元上げ技術の開発に向けた基礎的な検討を行い,実現に有効な知見を得た.また,(2)その技術を効率的に開発するために,川底を壁粒子で表現するための粒子の配置生成アルゴリズムを開発した.さらに,(3)SPH法による複雑な流れを対象とした飛沫・泡沫・気泡を含む表現法を2次元MPS法に適用し,独自の表現法の開発に向けた検討を行った.また,粒子群から良好な流体表面を生成するためのスプライン型のアルゴリズムを考案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者(ポスドク)の事情により雇用時間を予定通り取れなかったこともあり,2についての成果発表時期に遅れがあるが研究推進に障害はない.一方,1については,基礎的な検討を行う中で,流体表面のMTVFによる表現と,2でのfBmによる非凍結型風速場の生成法との類似性が新たに着目され,有効なノイズ生成手法の開発につながるよう検討を進めている.3については,ほぼ予定通りである.
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Strategy for Future Research Activity |
課題は明確であり,プログラミングと計算機実験が研究作業の中心となることから,研究協力者として,ポスドク2名,大学院生3名,および博士課程前期修了生1名など延べ約6名を雇用して推進する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究協力者(ポスドク)の事情により雇用時間を予定通り取れなかったことから,人件費,学会発表のための旅費および英文校正料に未使用分が生じたため 延べ約6名の研究協力者の雇用のための人件費,またPCの性能アップのためにビデオカードなどの交換・追加のための物品費,さらに最終年度なので成果発表を行うための旅費と校正料として,繰り越し分を含めて使用する.
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