2013 Fiscal Year Annual Research Report
人称性を考慮した地図データ可視化のための制約付き最適化手法の研究
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24300033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 成雄 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (40292619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有川 正俊 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (30202758)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地図データ / 可視化 / 制約付き最適化 / 美的基準 / 人称 / 等角図 / 時空間制約 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が普段手にする鉄道路線図や旅行ガイドブックに見られるような地図は,一般的に地図の見やすさのため,人の手を介して実際の地理上のレイアウトに変形が施されたのち,様々な付加情報が注釈ラベルとして挿入される.さらに,その地図情報の可視化は,地図を見る人の視点(人称性)に応じて大きく異る.本研究の目的は,そのような人の視点に応じて異なる地図の視覚的な美的基準を,路線図や道路網などを表現するグラフ構造に対する制約ととらえ,地図の可視化を制約付き最適化問題として定式化することにある.具体的には,A.グラフ描画の最適化,B.グラフ描画と注釈ラベル配置のハイブリッド最適化,C.3次元地図表示,D.携帯デバイス表示,E.アニメーション表示の5つの課題に取り組んでいく. 平成25年度は,5つの課題のうち,C.3次元地図表示とE.アニメーション表示の2つについて,特に重点的の取り組んだ.C.3次元地図表示に関しては,課題A.とB.の際に用いた地下鉄路線図レイアウト問題を解くための混合整数計画法の定式化を等角図(アイソメ図)に拡張し,駅や路線,加えて3次元アイコンなどの地図構成要素同士の遮蔽問題をある程度解決するための新しい定式化を導入した.E.アニメーション表示に関しては,3次元都市地図を対象として,各アニメーションフレームにおいて,今までのフレームの計算結果を参照しながら,道路地図レイアウトを最適化する枠組みの構築を行った. しかしながら上記の地図可視化に導入された設計基準は,冗長なものと不足しているものがあり,結果として得られた地図可視化が不自然になることがあった.平成26年度の繰越期間において,文献や資料等の収集及び考察を通じて,地図可視化のための美的設計基準の調査と検証を行い,一部設計基準の入れ替えを施すための準備作業も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究計画に掲げている5つの課題のうち4つの課題に着手がされており,そのほとんどは修了に近い状態である.残る1つの課題と全体の評価作業が残っているが,十分残り期間内に研究計画を終了できると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は残る課題である.D.携帯デバイス表示について進めるとともに,全体の評価作業を進めていく.課題D.に関しては,小さいディスプレイ表示領域の効率よく地図情報を提示することが重要な技術課題であり,必ずしも携帯デバイスに実際に表示をする必要はない.もし,携帯デバイスに表示をおこなうプログラム作成の作業がかさむようであれば,擬似的な表示環境で上記手法の実装を行っていく.
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Causes of Carryover |
平成25年10月に,3次元地図表示と地図アニメーション表示の両方の課題において,地図のレイアウトを決定するための美的基準の定式化をより詳細化し,その定式化のために必要な資料収集と定式化そのものの作業により多くの時間が必要であることが判明した.これは,近年のインフォグラフィックス技術の進展により,予想外に多くの地図表示に関する事例が資料として収集可能になったことが影響しており,追加資料を用いて地図レイアウトの美的基準の定式化を行うには,追加でまとまった時間が必要になることがわかり,研究期間を延長する必要が生じた. 延長期間については,追加資料とのその検討に3ヶ月,地図レイアウトの美的基準の定式化に3ヶ月ずつ追加で必要となることが想定されている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として,追加資料の収集と,新たに導入予定のデータ処理のための入力及び記憶装置の費用,旅費として,情報可視化に関する国際会議(EuroVis2014, IV2014)への出席,人件費・謝金として収集したデータの処理のための謝金,最後のその他として当該国際会議参加費として利用させていただく予定である.
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 注釈ラベル配置の空間効率を考慮した地下鉄路線図設計2013
Author(s)
Hsiang-Yun Wu, 高橋 成雄, 有川 正俊, 廣野 大地, Chun-Cheng Lin, Hsu-Chun Yen
Organizer
全国共同利用研究発表大会 CSIS DAYS 2013
Place of Presentation
東京大学柏キャンパス,柏,東京
Year and Date
2013-11-22 – 2013-11-23
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