2014 Fiscal Year Annual Research Report
立体映像による眼疲労と3D酔いの原因の特定と対策の確立
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24300046
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮尾 克 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (70157593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 智之 愛知学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00416190)
大森 正子 神戸女子大学, 家政学部, 准教授 (10397490)
長谷川 聡 名古屋文理大学, 情報文化学部, 教授 (20269674)
石尾 広武 福山市立大学, 都市教養学部, 教授 (40271035)
高田 宗樹 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40398855)
奥山 文雄 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (70134690)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 3D立体映像 / 水晶体調節 / 両眼輻輳 / 画像のボケ / 被写界深度 / 3D酔い / 重心動揺 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には、英文の原著論文が、4論文、3D立体映像に関連して、発行された。また、ディスプレイ関係の世界最大の学会、SID2014において、2論文を発表した。さらに、米国人間工学会(シカゴ)において、3Dの論文を1論文発表した。こくないでは、映像情報メディア学会ヒューマンインフォメーション研究会(熊本)のおいて、4論文の発表を行った。 26年9月には、被験者310名に及ぶ大規模実験を行った。NTT研究所とともに、DFD立体ディスプレイの調節と輻輳に関する世界ではじめての測定を行い、近く2015HCII(シカゴ)において、その結果を発表する予定である。また、原著論文にも、する予定である。 裸眼3Dタブレット端末を用いた眼精疲労緩和の3Dコンテンツを用いて、大規模被験者実験を行った他、池田書店より、「スマホで視力回復」(宮尾克監修)をキットを発売し、1万部以上が販売された。 バーチャルリアリティ学会(名古屋大学)において、研究室ツアーがおこなわれ、本プロジェクトの紹介ツアーを組織した。我々の研究結果を、学会参加者に詳細に報告し、測定も供覧して、3Dに対する調節と輻輳の矛盾がないことを体感してもらった。 最終年度の27年度へ向け、内容の濃い1年であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3D立体映像を快適で安全な、迫力あるダイナミックな映像にするためには、3D安全ガイドラインに代表される「3Dの視覚疲労は、調節と輻輳の矛盾による」とする俗説を打ち破らねばならない。その点では、国際的に我々の主張への賛同が広がり、英文原著論文の発表とともに、浸透しつつある。 3Dコンソーシアムも、矛盾説から微妙に表現を変えて、我々の主張を大きな矛盾がないように、してきている。 研究目的の達成度としては、60%程度の達成度と考えられる。 今後、目の疲れない快適で迫力ある3D立体映像の作り方を定式化していくべき時期が到来している。 韓国・台湾・中国・アメリカ合衆国の研究者たちに、認知されつつあるので、上記の具体化とともに、日本への逆輸入も進んでいくことと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.30歳代以下の場合には、3D立体映像に対して、調節が輻輳とともに動くことを確認してきた。45歳以上の場合には、調節がほとんど動かず、調節遠点の距離にほぼ固定されている。両者に対して、ボケの程度のモデルを検討してきたが、最終年度として、このモデルを確立する。 2.高精細な4K、8Kは、2D映像でも、立体的に見えるといわれている。スパコンを用いた4K画面の動画による3D認知や、3D酔いの実験を行なってきたが、最終年度として、これらを総まとめする。さらに、4K、8Kのサイドバイサイドの3D映像について、その生体影響を検討し、いかなる3D撮影のしかたが、快適なものになるのか、分類・基準づくりの基礎研究を行なう。 3.アドバンスト・パワー・3Dや、新開発の裸眼3Dタブレット端末など、快適3D映像がいくつか存在している。これらを用いて、どのような3Dコンテンツならば、どの程度の視差、視距離、色、背景のボケ方の程度で、眼疲労、3D酔いなどの悪影響を生じさせないで、眼疲労の解消、視力の回復・向上、認知能力の向上などの効果があるのか、最終年度として、総まとめを行なう。 4.小児は、立体視が未発達で、瞳孔間距離が狭く、特別の配慮が必要だとされているが、小児の実験は困難で、従来、十分に研究されてこなかった。この3年間の大規模実験で、さまざまな瞳孔間距離を有する成人のデータが蓄積されてきた。6歳くらいまでは、両眼視機能が未発達で、3D映像を長時間みすぎると、悪影響が起きることが懸念される。最終年度として、成人の狭い瞳孔間距離を有する被験者のデータを用いつつ、小児の立体視発達レベルの文献的検討により、小児を含む公衆放映のあり方・基準や、ゲームを含む3D立体映像の小児基準の策定を行なう。 5.以上の研究を行ない、4年間の総まとめとして、報告書を作成する。
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Remarks |
宮尾 克 研究室 www.miyao.i.is.nagoya-u.ac.jp/
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] 前後運動する3D映像とタブレット上の2D映像の水晶体調節の比較2014
Author(s)
芳川毅也,本多悠真,小嶌健仁,森田一三,吉川一輝,木下史也,杉浦明弘,釆女智津江,山川達也,金子央,宮尾克
Organizer
映像情報メディア学会ヒューマンインフォメーション研究会
Place of Presentation
熊本市,熊本市国際交流会館
Year and Date
2014-11-29
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[Presentation] 立体映像への慣れによる最大飛び出し認知への効果2014
Author(s)
本多悠真,芳川毅也,森田一三,金子央,芳川一輝,杉浦明弘,木下史也,釆女智津江,山川達也,小嶌健仁,宮尾克
Organizer
映像情報メディア学会ヒューマンインフォメーション研究会
Place of Presentation
熊本市,熊本市国際交流会館
Year and Date
2014-11-28
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[Presentation] タブレット上の3D映像観視時の瞳孔径と被写界深度の関連2014
Author(s)
金子央,本多悠真,芳川毅也,小嶌健仁,森田一三,吉川一輝,木下史也,杉浦明弘,釆女智津江,山川達也,宮尾克
Organizer
映像情報メディア学会ヒューマンインフォメーション研究会
Place of Presentation
熊本市,熊本市国際交流会館
Year and Date
2014-11-28
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