2013 Fiscal Year Annual Research Report
会話を通じた相互信頼感形成のマルチモーダル分析と共関心モデルの研究
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24300061
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
片桐 恭弘 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (60374097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 雅人 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (30303340)
傳 康晴 千葉大学, 文学部, 教授 (70291458)
榎本 美香 東京工科大学, メディア学部, 講師 (10454141)
高梨 克也 京都大学, 学術情報メディアセンター, 研究員 (30423049)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自然言語処理 / 会話処理 / 相互信頼感 / 共関心 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 人間同士の会話を通じた相互信頼感形成過程の計算モデルを, コミュニケーション現場で交わされる会話の実証的分析に基づいて構築/検証し, コミュニケーション支援システムへの応用を図ることである. 平成25年度は前年度に収集した保健指導対話を対象とした医療現場での保健士・患者間会話の書き起こしデータに基づいて会話の中で合意形成が進行する過程の言語的分析を継続して進めた.共関心モデルの精緻化のために,会話進行に関わるissue/concern/plan概念の規定とそれらに関わる談話行為(関心表明・評価・修正)の規定を行い、実データを用いた関心擦り合わせ過程の記述法を開発した.このモデル提案およびそれに依拠した合意形成会話記述法は、言語インタラクションの中で表現・交換・変容し、参加者達の行動選択に大きな役割をはたす価値的情報・心情的情報を扱うための理論的および記述的枠組みを提供するものであり、広い適応可能性を有する.さらにエージェント意思決定計算モデルのためにゲーム理論を用いた形式的モデルの開発の検討を開始した. また,マルチモーダル分析の研究テーマについては、センサー環境で収集された既存の会話データを利用する目処がつき,非言語情報の自動抽出検討に着手した.今後は非言語情報と言語情報とを組み合わせた分析へと発展させる予定である. 本研究成果について、国内外の学会発表を行うとともに、意思決定理論研究者との交流による形式モデル開発を企図して合同研究会を開催した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合意形成会話を通じた相互信頼感形成のために共関心モデルの精緻化とそれに基づく現実場面での会話データの分析が並行して進展しており,おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、サブテーマ1の中で、引き続き共関心モデルの洗練とそれに基づく現実場面での会話データの分析を進める.また、サブテーマ2ではセンサー環境で収集された会話データに基づいて、言語情報と非言語情報の交換を融合したマルチモーダル分析を進める予定である.また、研究成果公表と今後の研究方向確認を目的として公開シンポジウムを企画する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
相互信頼感形成会話における非言語情報交換分析のためのデータ収集および分析の着手が予定より遅れたため次年度に継続して実施するための費用を繰り越す.また、当初本年度実施を予定していたシンポジウムを招待講演者の都合により来年度に繰り越したためそのための招待講演者謝礼・会場費などの費用も次年度に使用する. 次年度研究費は、相互信頼感形成会話における非言語情報・言語情報交換分析に使用するための機器および分析作業者謝金、研究成果発表のための論文投稿費、国際会議参加費用および旅費、シンポジウム開催経費として使用する.
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Research Products
(24 results)