2013 Fiscal Year Annual Research Report
再現可能な交通状況を生成するスクリプト言語の開発と運転行動研究への適用
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24300063
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
HELMUT Prendinge 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (40390596)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スクリプト言語 / 高度道路交通システム |
Research Abstract |
新しいITS施策についての運転行動研究で使用する交通シナリオを、専門家が容易に生成する事ができる実験空間を実装するという目的を達成するために、交通シナリオを制御・同期するための新しいスクリプト言語であるシナリオ記述言語(SML)を開発した。我々が開発した既存の言語MPML、EML、およびSMLの初期バージョンに基づいて、シナリオ記述言語(SML)の基本要素の開発を行った。我々はシナリオを(車などの)エンティティの行動、およびそれらの連係を記述するスクリプトとして概念化した。その結果、エンティティ、イベント、行動、アクション、認知、コマンドなどがSMLの基本要素として規定された。SMLの対象ユーザは交通工学者であるため、始めに以下の2点を明らかにする実証的研究を行った。交通工学者が交通事故や渋滞などの交通状況を記述する方法、および運転行動のストーリーボードを概念化する方法、である。クイーンズランド工科大学、デルフト工科大学の研究協力者は交通事故による「野次馬渋滞」の運転行動研究に強い関心を示した。そこで彼らにSML言語を用いて事故を記述、自由記述文形式のストーリーボードを作成してもらった。この研究により、交通工学者に対してSMLの利便性を向上させる方法、およびどの制御スキームが使いやすいか、について検証を行う事ができた。 平成25年度は、SMLの高度な機能である「(シナリオ)ディレクター」の開発を行った。SMLディレクターは2つのタスクとして(1) 交通状況(事故)を発生させるための適切な車の選択、および (2) 選択された車が既定の場所において交通状況(事故)を発生させる事の保証を担っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、SMLの高度な機能である「(シナリオ)ディレクター」の開発を行った。SMLディレクターは2つのタスクとして(1) 交通状況(事故)を発生させるための適切な車の選択、および (2) 選択された車が既定の場所において交通状況(事故)を発生させる事の保証を担っていることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成26年度では、シナリオ記述言語(SML)を用いて (1) (交通渋滞の主要因である)「野次馬渋滞」、および (2) 野次馬効果を避けるためのITS施策の効果(人的要因)、に関する大規模な運転行動研究を準備・実施する。この研究は、実在する(千代田区の)シナリオに基づいてSMLの再現性・現実性・使い易さを実証するものであり、行動データの収集・分析を行う予定である。実験の設計は、交通における行動研究について豊富な知識を持つクイーンズランド工科大学、デルフト工科大学の研究協力者が行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定より短い期間で学生アシスタントの協力を得ることができたため、人件費に差額が生じた。 本研究の最終年度にあたるため研究の進み具合をみながら、人件費や研究成果発表等に係る経費を計画的に支出する。
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