2014 Fiscal Year Annual Research Report
再現可能な交通状況を生成するスクリプト言語の開発と運転行動研究への適用
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24300063
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
PRENDINGER HELMU 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (40390596)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スクリプト言語 / 高度道路交通システム |
Outline of Annual Research Achievements |
新しいITS施策についての運転行動研究で使用する交通シナリオを、専門家が容易に生成することができる実験空間を実装するという目的を達成するために、交通シナリオを制御・同期するための新しいスクリプト言語であるシナリオ記述言語(SML)を開発した。研究者代表者らが開発した既存の言語MPML、EML、およびSMLの初期バージョンに基づいて、シナリオ記述言語(SML)の基本要素の開発を行った。研究者代表者らはシナリオを(車などの)エンティティの行動、およびそれらの連係を記述するスクリプトとして概念化した。その結果、エンティティ、イベント、行動、アクション、認知、コマンドなどがSMLの基本要素として規定された。SMLの対象ユーザは交通工学者であるため、始めに以下の2点を明らかにする実証的研究を行った。(1)交通工学者が交通事故や渋滞などの交通状況を記述する方法、および(2)運転行動のストーリーボードを概念化する方法である。クイーンズランド工科大学、デルフト工科大学の研究協力者は交通事故による「野次馬渋滞」の運転行動研究に強い関心を示した。そこで彼らにSML言語を用いて事故を記述、自由記述文形式のストーリーボードを作成してもらった。この研究により、交通工学者に対してSMLの利便性を向上させる方法、およびどの制御スキームが使いやすいかについて検証を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度では、シナリオ記述言語(SML)を用いて(1)(交通渋滞の主要因である)「野次馬渋滞」、および(2)野次馬効果を避けるためのITS施策の効果(人的要因)に関する大規模な運転行動研究を準備、実施した。この研究は、実在する(千代田区の)シナリオに基づいてSMLの再現性・現実性・使いやすさを実証し、行動データの収集、分析を行なった。実験の設計は、交通における行動研究について豊富な知識を持つクイーンズランド工科大学、デルフト工科大学の研究協力者が行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度では、引き続きシナリオ記述言語(SML)を用いて(1)(交通渋滞の主要因である)「野次馬渋滞」および(2)野次馬効果を避けるためのITS施策の効果(人的要因)に関する大規模な運転行動研究を準備、実施する。この研究は、実在する(千代田区の)シナリオに基づいてSMLの再現性・現実性・使いやすさを実証し、行動データの収集、分析を行なう。実験の設計は、交通における行動研究について豊富な知識を持つクイーンズランド工科大学、デルフト工科大学の研究協力者が行なう。
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Causes of Carryover |
当初の予定より短い期間で学生アシスタントの協力を得ることができ、人件費に差額が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進み具合を見ながら、人件費や研究成果発表等に係る経費を計画的に支出する。
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Research Products
(2 results)