2014 Fiscal Year Annual Research Report
実社会の「今」を切り取るプロキシ型情報収集機構に関する研究
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24300074
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 倫一郎 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (20136550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長原 一 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (80362648)
島田 敬士 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (80452811)
内山 英昭 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (90735804)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 画像検索 / 画像アノテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,従来型の過去の情報を蓄積するデータベース技術の概念から脱却し,実社会の「今」の情報を効率よく収集するための「プロキシ型情報収集機構」に関する研究を行った.「今」を切り取るセンサとしてスマートフォンを活用し,「今」の情報を欲する情報需要者と「今」の情報を提供する情報供給者の間で,情報伝達を効率よく行う仕組みを確立するために次の2つの柱について研究を行った.すなわち,(1)情報需要者の意図を情報供給者へ安全かつ円滑に伝達する仕組み,(2)情報供給者から投稿された情報から情報需要者の意図に適合した情報を抽出する仕組み,である.特に,平成26年度は,以下の成果が得られた. 【クロスモーダルリトリーバル】画像やテキストのように異なるモダリティ間で得られる特徴の関係を潜在空間で学習する手法を開発した.この方法を用いることで,画像に関連するテキスト情報の検索や,テキストに関連する画像を検索したりすることが可能になった.さらに,潜在空間を介して画像をクエリとした際にその画像と概念の類似する他の画像を検索することも可能になった. 【オブジェクトリトリーバル】特定の対象をクエリとして,その対象を含む画像を効率よく検索する方法を開発した.幾何的な類似度評価を含めることで対象の見かけの一致度を考慮しつつ,複数の候補をランキング形式で検索する方法を開発した.さらに,クエリ拡張法を導入することでより信頼度の高い画像検索を行うことができるようになった. 【プロトタイプシステム開発】前年度までに開発した画像アノテーション手法を,透過型メガネデバイス上で実装し,現在目にしている対象やシーンについてアノテーションを行うプロトタイプシステムを開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標は,情報検索意図の抽象化と分散された意図の統合である.前年度までに前者については画像アノテーションの高精度化問題,後者については画像群の要約問題として,手法を確立し,さらに最終年度である平成26年度ではモダリティ間で情報検索を可能にしたり,意図する対象に対して精度よく情報検索を行う手法を確立した.特に,クロスモダリティの問題については,マルチメディア分野の主要国際会議である,IEEE International Conference on Multimedia and Expo 2015の口頭発表として採択されており,研究分野のコミュニティでも高く評価されている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に得られた研究成果の一部は,平成27年度に開催されるIEEE International Conference on Multimedia and Expo 2015で発表の予定である.さらにマルチメディア分野のトップコンファレンスであるACM Multimedia 2015にも投稿予定であり,そのために平成27年度への研究費の期間延長を行っている.また,今後は本研究成果を活用してユーザ参加型のリアルタイム情報検索システムの実現やビッグデータ解析との連携などを考えている.特に観光分野などへの展開を念頭に研究を進めていきたい.
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Causes of Carryover |
2015年3月開催のEuropean Conference on Information Retrievalにおいて成果発表を計画していたが,画像とテキストの同時検索に関する新たな知見が得られらため,2015年6月開催のInternational Conference on Multimedia and Expoで発表した方が良いと考え,先の会議での発表を取りやめたため,未使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
得られた新たな知見を2015年6月開催のInternational Conference on Multimedia and Expoで発表するための出張旅費,会議登録料,プレゼン資料作成補助の人件費等として利用する予定である.
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Research Products
(5 results)