2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24300075
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石川 博 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60381901)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 最適化 / コンピュータビジョン |
Research Abstract |
高階エネルギー還元アルゴリズムが改良を待つ点として、階数について指数的に変数の数が増える ため、最小化可能なエネルギーの階数が最高5~6階程度にとどまることがある。本研究では今年度、高階2値エネルギーを1階エネルギーに還元するアルゴリズムの改良を行った。上記のように、既存手法では高階の2値エネルギーを1階の2値エネルギーに還元するために変数を付加していたが、今年度開発したアルゴリズムでは変数を加えずに還元することを可能にした。そのため結果として、既存手法より少ないメモリーでより高速な還元を可能とするアルゴリズムの開発に成功し、成果はIEEE CVPR2014に採択された。また一方で、高階エネルギーの応用として医用画像処理への応用の研究をすすめた。肺の血管のCT画像をを動脈と静脈に分けるセグメンテーションは、動脈・静脈間の見た目の違いがほとんどないため難しいことが知られている。そのため、血管の根元の、動脈と静脈の分類が既知の部分からの連続性によって血管全体を分類する手法を試みた。その際、動脈と静脈が接触していたりすれ違っていたりする部位でおいて、従来の1階エネルギーを使った手法では相互に浸食する問題があった。そこで高階エネルギーを使うことにより、肺血管が比較的まっすぐであるという性質をエネルギー中に表現することを可能にした。この成果はPIA2013で発表し、また、より多くの実証データを含めた拡大版を論文誌に投稿中である。また、心臓の動脈硬化の程度をCT画像を用いて測定するためには、冠動脈中に生じるプラークと血管壁を区別したセグメンテーションが必要だが、これを高階エネルギーを使って高精度化する研究も行った。この成果は国際会議に投稿中である。最後に、より野心的な、正解データから多臓器間の統計をとり高階エネルギーに反映する研究も継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り高階エネルギーを近似的に最小化する方法を開発し、また高階エネルギーをより効率的に1階エネルギーに還元する方法も開発した。またこれらを応用する研究も順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、高階エネルギー最小化法の実用上の効率および最小化可能な階数をさらに向上する。今年度開発した新還元法の並列計算による高速化を試みる。また高階エネルギーの学習を検討することにより、今まで解くことが不可能だったコンピュータビジョンやパターン認識における高階問題に応用することをめざす。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費が3年間雇用するに足るだけ交付されなかったため、2年度め、3年度目の2年間に人件費を使用する。 予定通り使用する。
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