2013 Fiscal Year Annual Research Report
進化型多目的局所探索の最適なアルゴリズム構造の決定に関する研究
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24300090
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石渕 久生 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60193356)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 最適化アルゴリズム / 多目的最適化 / 遺伝的アルゴリズム / 進化計算 / 遺伝的局所探索 / メタレベル最適化 / アルゴリズム構造 / アルゴリズム自動生成 |
Research Abstract |
進化型多目的最適化アルゴリズムに局所探索を組み込んだ進化型多目的局所探索アルゴリズムの自動設計という最終的な長期目標に向けて,本年度は,以下のことを行った. 多目的最適化問題の定式化と多目的最適化アルゴリズムの性能調査:目的の数と変数の数を自由に設定することのできる多目的最適化問題として,高次元決定変数空間に複数の点を配置することで多目的距離最小化問題の定式化を行った.また,この問題において,複数の点の配置を規則的に行うことで,線形空間内で個体群の進化の挙動を観察することができることを示した.多目的距離最小化問題に対する数値実験により,変数の数を大きく増加させると個体群の多様性が大きく減少する傾向がみられることを示した.さらに,多目的ナップサック問題に対して,目的間に様々な相関関係や依存関係を持つ例題を生成し,多目的最適化問題の性能を調べた. 多数目的最適化問題に対する進化型多目的最適化アルゴリズムの性能調査:目的関数の数が4以上である多数目的最適化は,進化計算分野で大きな注目を集め,急激に進展している研究分野である.この分野に貢献するために,様々な異なる性質を持つ多様な多数目的ナップサック問題に対して,代表的な進化型多目的最適化アルゴリズムを適用し,個々のアルゴリズムの探索挙動を調べた. 多目的ファジィ遺伝的機械学習への応用:多目的ファジィ遺伝的機械学習問題に対して,様々な進化型多目的最適化アルゴリズムを適用し,個々のアルゴリズムの探索挙動の調査を行った.また,多目的ファジィ遺伝的機械学習問題に対して獲得された多数の非劣解集合から最適な1個の解を選択する方法の検討も行った. 集合最適化問題としての再定式化:多目的最適化問題の解集合に対する複数の評価基準を目的関数とする多目的集合最適化問題の定式化を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に研究が進んでいる項目としては,以下のものを挙げることができる.(1)目的の数と変数の数を自由に設定することのできる多目的距離最小化問題の定式化,および,目的間に様々な相関関係を持つ多目的ナップサック問題の定式化.(2)多目的距離最小化問題やナップサック問題に対して,様々な進化型多目的最適化アルゴリズムの探索挙動の調査. また,以下のような研究に関しては,当初の想定以上に研究が進んでいる.(3)目的関数の数が4以上である多数目的最適化問題に対する様々な進化型多目的最適化アルゴリズムの探索挙動の調査,(4)多目的ファジィ遺伝的機械学習問題に対する様々な進化型多目的最適化アルゴリズムの探索挙動の調査,(5)多目的ファジィ遺伝的機械学習問題に対して獲得された多数の非劣解集合から最適な1個の解を選択する方法の検討,(6)多目的最適化問題の解集合に対する複数の評価基準を目的関数とする多目的集合最適化問題の定式化. しかし,以下のような研究に関しては,当初の想定よりもやや遅れている.(7)進化型多目的局所探索アルゴリズムの様々なパラメータを記号列とするメタレベルの遺伝的アルゴリズムの実装,(8)交叉,突然変異,局所探索,世代更新など,進化型多目的局所探索を構成する操作の順序を記号列とするメタレベルの遺伝的アルゴリズムの実装. このような状況から総合的に判断すると,研究はおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更はない.今年度は,上記の「現在までの達成度」の欄において,当初の計画よりもやや研究が遅れている項目である以下の2点に関して,集中的に研究を行う. (7)進化型多目的局所探索アルゴリズムの様々なパラメータを記号列とするメタレベルの遺伝的アルゴリズムの実装 (8)交叉,突然変異,局所探索,世代更新など,進化型多目的局所探索を構成する操作の順序を記号列とするメタレベルの遺伝的アルゴリズムの実装 このようなメタレベルの遺伝的アルゴリズムの実装は,単一目的最適化問題に対しても行い,多目的最適化と単一目的最適化の違いを明確にすることを試みる.さらに,近年大きな注目を集めている多数目的最適化に関しても,メタレベルでの遺伝的アルゴリズムの実装と性能評価を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
13076円は,大学院生1名に行ってもらう多目的遺伝的局所探索アルゴリズムの実装に関する研究補助の謝金の2日分である.卒業論文や修士論文の発表会,大学入試や大学院入試および関連した会議などのために日程調整が難航し,研究補助を行ってもらうことのできる日数が少なくなったことで,13076円を次年度に残す結果となった.なお,13076円は,今年度の研究経費全体の0.25%,謝金全体の1.8%であるため,本研究の実施に及ぼす影響は,ほとんどない. 多目的遺伝的局所探索アルゴリズムのパラメータ等の調整を自動的に行うことができるメタレベルのアルゴリズムの実装に関する研究補助の謝金として使用する予定である.
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Research Products
(7 results)