2012 Fiscal Year Annual Research Report
強化学習モデルによるヒトの潜在的な心理状態の予測に基づく共適応BMI
Project/Area Number |
24300093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
川鍋 一晃 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (30272389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼村 厚範 大阪大学, 産業科学研究所, 特任研究員(常勤) (50580297)
植野 剛 大阪大学, 産業科学研究所, 招へい研究員 (90615824)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブレイン・マシン・インタフェース / 強化学習 |
Research Abstract |
本研究の目的は、BMI(brain-machine interface)を使用中に学習や疲労などによりヒトの脳活動状態が非定常的に変化することをモデル化することによって、ヒトの潜在的な心理状態に応じた柔軟なフィードバック・スキームを提供するリアルタイム共適応BMIシステム確立することである。その実現のため、本年度は、BMIデコーダを強化学習により構築するための理論的枠組みの整備と、EEG信号からヒトの心理状態を抽出するための情報表現法の研究を主に実施した。 被験者とBMIデコーダの2つの要素を含む共適応BMIシステムにおいて、ヒトの心理状態をモデル化するための潜在状態の次元数、およびその間の遷移則などを観測データから適切に定める必要がある。Ueno et al.(NIPS 2012)はより一般的な枠組みにおいて、重み付尤度に基づく方策探索法に対して、上記のようなモデル化における多数の選択肢の中から最適なモデルの決定とそのもとでの強化学習を同時に実行する手法を提案した。このアルゴリズムは共適応BMIの問題にも適用可能である。 共適応BMIのための脳活動の情報表現の構築にあたっては、その非定常性とBMIタスクへの関連性の両方を考慮に入れる必要がある。Samek et al.(EMBC 2012)はEEGなどの多次元時系列信号を定常および非定常成分に分解するStationary Subspace Analysis(SSA)とタスク関連情報を有する成分を抽出するCommon Spatial Pattern(CSP)を組み合わせることにより、BMIの効率を高められることを示した。この情報表現法をさらに改良して共適応BMIシステムに利用して行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
共適応BMIのための強化学習の理論的な展開は予定以上に進んでいる。BMI実験は、分担担当する予定だった兼村氏が大学に移籍したため、代表研究者のみでBMI実験と脳データ解析に対応することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒトのモデルとしての強化学習システムの洗練化を実施する。なお、BMI実験を分担担当する計画だった兼村が企業研究所から大学へ移籍したため、全体計画に影響の無い範囲内で実験規模を縮小する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費次年度使用額が0以外であるのは、当初購入を予定していたワークステーションをストレージ機能を主とするサーバ取得に振り替えたためである。
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Research Products
(16 results)