2013 Fiscal Year Annual Research Report
エピソード記憶障害の神経基盤の研究-脳機能画像法による検討-
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24300102
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
藤井 俊勝 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (70271913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 修士 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90507922)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 認知神経科学 / 脳機能画像法 / 神経心理学 / エピソード記憶 |
Research Abstract |
本年度の研究では、前脳基底部の損傷によって記憶障害を呈する患者群を対象として、時間文脈情報の記憶障害を評価するための課題を施行した。現在までに取得したデータからは、前脳基底部の損傷によって、時間文脈情報に特異的というよりはむしろ、空間文脈情報などにも障害が認められる可能性が示唆されている。こうした結果が、病巣の広がりや全般的な認知機能障害の重症度によって説明できるものなのか、現時点では明確な結論を出すことはできない。今後、多くの症例からデータを取得する必要があると考えている。 なお、本研究の対象となった症例の全般的な記憶成績や病巣の位置に加え、実験に使用している課題の制約上、課題遂行中の活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で記録しても、確かな結論を得るのが困難な可能性が高いことが判明した。したがって、より詳細な脳構造画像の撮像をすることで、記憶障害に対応する病巣の位置を正確に同定し、エピソード記憶障害の神経基盤により的確に迫ることができると考えられた。来年度は脳構造画像データの詳細な解析を進めていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、前脳基底部の損傷によって記憶障害を呈する患者群を対象に、時間文脈記憶を評価するためのデータ取得を進めることができた。しかし、十分な症例数を確保することが困難であり、また様々な実験遂行上の制約から、脳機能画像法を用いての検討ではなく、脳構造画像による検討を進めることとなった。全体として研究そのものは進行しているものの、ややスピード感に欠ける点は否めない。来年度の研究終了時には、一定の結論を導き出せるよう、研究を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はこれまで行ってきたデータ取得を継続し、強固なエビデンスに基づいた成果を発信することを目指す。また、脳構造画像データの解析を進めることで、エピソード記憶障害の神経基盤の一端を明らかにできればと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の見込みよりも物品費、旅費、被験者謝金が少なかったため。 物品、旅費、人件費・謝金を計画的に使用する。
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[Presentation] Neural correlates of facial recognition with and without cosmetics: an fMRI study.2013
Author(s)
Ueno A, Ito A, Kawasaki I, Kawachi Y, Yoshida K, Murakami Y, Sakai S, Iijima T, Matsue Y, Fujii T.
Organizer
International Neuropsychological Society Mid-Year Meeting 2013
Place of Presentation
Amsterdam, The Netherlands
Year and Date
20130710-20130713
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