2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの養育行動における快情動の役割とその進化的基盤
Project/Area Number |
24300103
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
明和 政子 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00372839)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 慈子 東京大学, 総合文化研究科, 講師 (00415572)
福島 宏器 関西大学, 社会学部, 准教授 (50611331)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 実験系心理学 / 認知科学 / 進化 / 発達 / チンパンジー |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトを対象とした研究では、乳児―養育者の相互作用場面に着目し、脳神経、生理、心理、そして行動変化をとらえる実験を行ってきた。母親側の脳神経変化を指標とした研究としては、乳児を養育中の母親と養育経験のない女性の脳活動を比較したものがある。母親は「対乳児発話」による触覚語(つるつる等)に対し、より明瞭な脳活動を示した。さらに、日常の養育場面において触覚語をよく使うと回答した母親ほど脳活動が明瞭であったことから、養育経験が成人の脳活動に影響することが示された(Tanaka et al., 2014)。また、「抱き」に着目した心理、行動指標を用いた研究からは、乳児からの快、不快な情動表出が母親の抱きを変化させること、さらに、母親のストレス状態と抱きの変化には関係があることが示された。この成果は現在、国際誌に投稿中である(Nishimura et al., submitted)。さらに、乳児の不快情動がもたらす母親の生理状態(ストレス反応)に対し、乳児の快情動がそれを軽減する機能をもつか否かを調べた研究も実施した。その結果、乳児の快情動は、母親の皮膚コンダクタンス反応(発汗)を抑制することが明らかとなり、ストレスを軽減させる機能をもつことを示した。この成果は、まもなく国際誌に受理される(Mizugaki et al., under revision)。 チンパンジーを対象とした研究では、他個体の表情刺激を提示し、その前後の行動、脳生理反応を計測した。チンパンジーになじみのない/なじみある個体の表情を提示した場合、両者への脳活動反応に差異がみられることを実証した(Fukushima et al., 2014)。また、唾液サンプルによる内分泌変動(コルチゾール、オキシトシン等)についてはデータ収集を終えたが、妥当な計測系を確立することに時間を要し、現在解析を進めているところである。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(45 results)
-
[Journal Article] Infant's action skill dynamically modulates parental action demonstration in the dyadic interaction2015
Author(s)
Fukuyama, H., Qin, S., Kanakogi, Y., Nagai, Y., Asada, M., & Myowa-Yamakoshi, M
-
Journal Title
Developmental Science
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
-
[Journal Article] Neural representation of face familiarity in an awake chimpanzee2014
Author(s)
Fukushima, H., Hirata, S., Matsuda, G., Ueno, A., Fuwa, K., Sugama, K., Kusunoki, K., Hiraki, K., Tomonaga, M., & Hasegawa, T
-
Journal Title
PeerJ
Volume: 1
Pages: e223
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 心の誕生2014
Author(s)
明和政子
Organizer
平成26年度 知的世界への冒険
Place of Presentation
大阪府立北野高校
Year and Date
2014-09-13
Invited
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Development of social attention in preterm and full-term infants2014
Author(s)
Imafuku, M., Kawai, M., Niwa, F., Shinya, Y., Inagawa, M., Kawahara, N., & Myowa-Yamakoshi, M
Organizer
The 19th International Conference on Infant Studies (ICIS 2014)
Place of Presentation
ドイツ
Year and Date
2014-07-03 – 2014-07-05
-
-
-
-
-
-
-
-
-