2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24300106
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下平 英寿 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (00290867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 敬文 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (60334546)
清水 昌平 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (10509871)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 統計的推測 / ブートストラップ / スケーリング則 / 仮説検定 / モデル選択 / 情報幾何 / 高次漸近理論 / GPGPU |
Research Abstract |
理論的な考察に関していくつかの進展があった.マルチスケール・ブートストラップ法の高次漸近理論についてある種の正規性を仮定して4次の精度まで解析的な結果を得ることができた.頻度論的な不偏検定の観点から,通常のブートストラップ確率は仮説領域の境界曲率の影響によるバイアスがあり1次の精度しかないこと,および,ダブルブートストラップ法は3次の精度であることは以前から知られている.4次の精度まで評価すると,ダブルブートストラップ法は「曲率の曲率」の影響によるバイアスがあること,および,このバイアスがマルチスケール・ブートストラップ法によって解消することがわかった.このほかに,様々な幾何学的考察をすすめ,また,高次元・小標本の場合の漸近論の取り扱いを検討した. ブートストラップの応用を意識した研究でもいくつかの成果が得られた.(1)ガウシアングラフィカルモデルによるネットワーク推定においてLassoと一種のグループLassoをつなぐ正則化項のクラスを検討して,スパースなグラフの推定精度が高くなるような工夫を行った.(2)階層型クラスタリングのブートストラップの計算機実装についてGPGPU化を進め,GPGPUとCPUのハイブリッド計算を効率化する方法を検討した.(3)ネットワークデータの統計解析における優先的選択関数のノンパラメトリック推定法を考案してYouTubeのフォロー関係データに適用した.(4)因果解析のモデルが有向グラフでは表現できない未観測交絡変数がある場合の因果分析法の検討を進め,時間情報の利用や推定精度の向上にも取り組んだ.(5)機械学習の目的に合わせて損失関数を設計するために,さまざまなデータ変換に対して不変なダイバージェンスのクラスを導出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論,実装,応用のそれぞれの観点で,成果が得られている.次年度への準備も比較的順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画にしたがって研究を進める.理論的な側面についてはアイデアの方向性に応じて研究の進捗を見ながら調整する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定より旅費および人件費の使用が少なかった.状況の変化として,当初計画のあと研究代表者が所属機関を異動したこともあり,学生等の体制が整いつつも不十分だった. 次年度は体制が整いつつあり,人件費の増加が予定されている.
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