2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24300137
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
上口 裕之 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (10233933)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脊髄 / 後根神経節 / 軸索 / リゾリン脂質 / 受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄後根神経節に存在する痛覚神経細胞と固有感覚神経細胞の存在部位と個数におよぼすリゾホスファチジルグルコシド(LysoPtdGlc)受容体GPR55の影響を解析するため、TrkAおよびTrkC mRANをマーカーとして後根神経節の組織切片をin situ hybridization法で解析した。TrkAあるいはTrkC陽性細胞の存在部位・個数は、野生型マウスとGPR55ノックアウトマウスの間に有意な差異は検出できなかった。分散培養した痛覚神経細胞と固有感覚神経細胞におけるGPR55 mRNAの発現を定量的RT-PCR法にて検出可能であったが、後根神経節組織切片におけるGPR55 mRNAの発現はin situ hybridization法で検出することはできなかった。 LysoPtdGlcを産生・放出する細胞を特定するために、その前駆体であるホスファチジルグルコシド(PtdGlc)に対する抗体を用いて免疫染色を行った。発生段階の脊髄組織切片を染色した結果、PtdGlcは脊髄背側に限局して発現し、放射状グリア細胞のマーカーであるtransitinと共局在したが、神経細胞マーカーであるNeuNとは共局在しなかった。脊髄から分散培養した細胞を用いて二重染色を行った結果も同様であった。以上の実験結果から、脊髄背側の放射状グリア細胞がPtdGlcを産生しLysoPtdGlcを放出することが示唆された。 昨年度から継続しているGPR55ノックアウトマウスの感覚神経回路の構築異常の実験を完了し、LysoPtdGlcとその受容体GPR55は、異種の感覚を司る神経軸索を分別して精密な中枢神経回路を構築するための脂質シグナルであることを証明した。以上の成果を、米国科学雑誌「Science」にて発表した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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