2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24300144
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
坂場 武史 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (80609511)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経科学 / 神経生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2つの研究結果を公刊した。カリックス型シナプス前終末で刺激後のシナプス小胞エンドサイトーシスの速度を膜容量測定法で測定し、そのCa依存性について調べた。前終末にはP8-11の段階でP/Q, N, Rの3タイプのCaチャネルが存在する。エキソサイトーシスは主にP/Q型Caチャネルを介したCa流入によって惹起される。一方で、エンドサイトーシスはR型チャネルを介したCa流入によって惹起されやすいことがわかった。また、P14以降になるとN, R型チャネルが終末膜から消失していくが、このときのエンドサイトーシスはP/Q型チャネルによって媒介されることがわかった(Midorikawa et al., 2014)。 カリックス型シナプスはグルタミン酸作動性の興奮性シナプスであるが、連発刺激によってシナプス応答は短期的に抑圧される。この抑圧は主に、即時伝達物質放出可能なシナプス小胞の枯渇によっておこると考えられている。一方で抑制性シナプスでも短期抑圧が観察されるが、刺激周波数依存性などで興奮性シナプスと挙動が異なる。しかし、短期抑圧に関して、何が決定要因なのかはわかっていなかった。これを調べるべく、小脳プルキンエ細胞シナプス前終末からの直接記録を培養、スライス標本で試みた。この結果、軸索を活動電位が安定して伝播するが、終末付近で活動電位の振幅が減衰すること、これによって頻回刺激中の伝達物質放出量が減少し、シナプス応答が抑圧されることを見出した(Kawaguchi and Sakaba, 2015)。本研究から、興奮性、抑制性シナプスの短期可塑性のメカニズムが異なること、活動電位は軸索を安定して伝播すると考えられてきたが、軸索終末付近では必ずしもそうではない可能性が示唆された。伝達物質放出メカニズムと軸索の電気的特性に関して、今後、研究を発展させたいと考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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