2014 Fiscal Year Annual Research Report
単一ニューロンから領野まで統合的に解析する全脳記録法の開発
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24300148
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
高橋 晋 同志社大学, 高等研究教育機構, 准教授 (20510960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤山 文乃 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20244022)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 全脳記録法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現在の脳神経科学と情報工学を協調させることにより、覚醒し行動している動物の脳全体に跨る神経回路網の動態を、単一ニューロンレベルの微視的スケールから脳全体を俯瞰する巨視的スケールまで統合的に計測し解析する全脳記録法を確立することを目的としている。 本年度は、神経生理実験をスタートし、全脳記録法によるデータ収集を開始した。具体的には、ラットに様々な場所で点灯する光源(目標点)へ素早く到達するように視覚弁別課題を訓練した。訓練のための報酬としては、ラットがどの場所にいても即時に与えることが可能な脳内報酬刺激を用いる。課題を学習させながら、その海馬などから全脳記録法により長時間にわたりニューロン活動や局所脳波を記録した。脳波の振幅や位相などの変化から、課題と関係する領野や相互作用する複数領野を同定し、そこからマルチニューロン活動を記録することで、錐体細胞群の同期活動、介在細胞群の同期活動、などについて検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生理実験をスタートし、全脳記録法を活用することで、海馬の錐体細胞群の活動が記憶に基づく将来の行動計画に関与していることを発見したことから、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本開発手法の性能を評価するため、計測領域を広げ、脳機能ネットワーク動態を解析する全脳記録法を完成させる。
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Causes of Carryover |
マルチニューロン活動と傍細胞活動を組み合わせ、その結果を基に全脳記録法を完成させる予定であった。ところが、神経生理実験中の傍細胞活動とマルチニューロン活動の同時記録が申請当時に想定した配置では難しいことがわかった。そのため、計画を変更しそれらの同時記録法を再設計することにしたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
再設計した傍細胞活動とマルチニューロン活動の同時記録手法を基に、神経生理実験を実施し、本研究課題の最終目標である全脳記録法を完成させる。そして、全脳記録法の詳細とそこから得られた結果を取り纏め、成果発表を行う。次年度使用額はそれらの経費にあてる予定である。
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Research Products
(10 results)