2012 Fiscal Year Annual Research Report
ムチン型糖鎖合成酵素遺伝子改変マウスによる巨核球分化機構の解明
Project/Area Number |
24300152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
工藤 崇 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20288062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 智 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50271896)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 動物 / 糖鎖 / 発生分化 |
Research Abstract |
C1galt^<flow/->,Mx1-Creマウスの表現型は、末梢血中の血小板数が野生型と比較して10%以下に減少、巨大血小板を呈していた。血小板の減少の原因の一つとして血小板合成機構の破綻が考えられ、巨核球分化具常が見られるかを検証したところ、核の多倍数などの初期の巨核球分化には具常は見られないが、最終分化である胞体突起形成の具常を見出した。本年度は、更に詳細な巨核球分化具常を検証するために、C1galtノックアウト骨髄由来巨核球細胞による血小板合成能評価および脾臓摘出による末梢血中血小板数のリカバー評価をおこなった。骨髄より造血幹細胞(lineage-/c-kit+)を分離して、トロンボポエチン存在下で培養することにより巨核球に分化した細胞を得た。しかしながら、野生型由来およびノックアウトマウス由来の巨核球から培養上清に放出される血小板数に違いは見られなかった。血小板数が減少するノックアウトマウスの脾臓は、個体差が大きいものの肥大する傾向が見られた。つまり末梢血に流れる血小板数の現象が脾臓にトラップされた結果である可能性がある。その可能性を検証するために、脾臓を摘出したノックアウトマウスを作製した。この脾臓を摘出したノックアウトマウスにおいても、未摘出のノックアウトマウス同様の血小板数の減少が見られたので、この可能性が否定された。 巨核球においてムチン型糖鎖をもつ分子として、血中のvon Willebrand因子と結合し血栓形成機構に重要な血小板膜タンパク質であるGPthαが報告されている。血小板におけるGPthαの発現をフローサイトメトリーおよびウエスタンブロットにより解析したところ、ノックアウトマウスの血小板で著しく減少していることが観察された。すでに報告されているGPIbαノックアウトマウスも血小板減少の表現型を示すことから、機能的ムチン型糖鎖のキャリアタンパク質の一つがGPIhαであることが予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血小板減少症を示すClgaltノックアウトマウスの詳細な表現型解析および機能的分子の一つ、GPIbαが明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
血小板数減少のメカニズムの候補分子としてGPIbαが得られたが、それだけでは説明できない表現型が観察され、他にも重要なムチン型糖鎖をもつ糖タンパク質の存在が予想される。さらに詳細な表現型の解析とプロテオミクス解析によって新規な機能的糖タンパク質の同定を目指す。
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