2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24300165
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高松 哲郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40154900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 義規 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10381956)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 末梢神経 / ラマン散乱分光法 / 多変量解析 |
Research Abstract |
本年度は,神経組織を特異的に検出するスペクトル解析アルゴリズムの開発を行った.特に,末梢神経およびその周囲組織に特徴的に現れるラマンスペクトルの検討を行った.試料には,Wistarラットを用い,ラマン散乱分光顕微鏡を用いて計測した.その結果,多変量解析を援用することで末梢神経および周囲組織を推定し,かつスペクトルの特徴を抽出できることが明らかとなった.特に,脂質由来のラマンバンドやタンパク質由来のラマンバンドで顕著な違いを認めた.また,波長依存性についても検討した.さらに,開発したラマン顕微鏡システムおよび神経組織検出アルゴリズムを用い,ラットの神経組織と隣接組織の判別を行った.その結果,特徴的に現れるラマンバンドが,複数の試料で計測しても同程度に現れてくることが明らかとなった. また,非線形ラマン散乱分光法が本手法に適用可能であるかも検討した.我々が構築した非線形ラマン散乱顕微鏡を用い,組織切片の計測を試みた.その結果,末梢神経に特徴的な非線形ラマンスペクトルを明らかにすることが出来た.特に,高波数領域で顕著な違いが見られることが明らかとなった.さらに,多変量解析を行い,これらの特徴をより明瞭に抽出するすることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年開発したラマン分光顕微鏡およびスペクトルアルゴリズムの開発を完遂し,ラットの末梢神経および周囲組織の特徴的なラマンスペクトルを明らかにした.特に,多変量解析を援用してラマンスペクトルの特徴の抽出を行ったことで,本研究の測定対象である末梢神経の特徴をラマンスペクトル的に説明することに成功した. さらに,非線形ラマン散乱顕微鏡の末梢神経への応用も行い,特徴的な非線形ラマンスペクトルを得ることが出来た.非線形ラマン散乱顕微鏡は,従来の自発ラマン散乱顕微鏡よりも強い散乱光を得ることができる.このことから,より高速かつ詳細な末梢神経のラマンイメージ解析へとつなげることができると考えている. 以上のことから,当初の計画以上に進展していると自己評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ,順調に研究を推進している.そのため,今後は,当初の研究計画を踏襲して開発したラマン散乱顕微鏡および解析アルゴリズムのより詳細な検討を行うとともに,ex vivo試料,ヒト臨床検体での各種分光特性,ラマンスペクトル等を明らかにする.それにより,末梢神経およびその周囲組織のラマンスペクトルに寄与する分子の同定を行う.さらに,その時の分子の種類,構造の変化など組織を構成する分子の状態についてラマン分光法により明らかにすることを試みる. さらに,これまでに,非線形ラマン散乱顕微鏡への応用の可能性についても検証した.そのため,今後は非線形ラマン散乱顕微鏡についても推進し,非線形ラマン顕微鏡を用いた場合のラマンスペクトルの特徴,最適解析アルゴリズムの開発を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定よりも目標を達成するための開発経費を削減することができたため,次年度に直接経費を繰り越した. 次年度は,本年度からの繰越金を活用して,本研究目的をより多角的に深くアプローチをする事ができるように,更なるラマン顕微鏡の改良を行う予定である.特に,自発ラマン散乱顕微鏡では,ex vivo試料,ヒト臨床検体の計測に注力し,ex vivo試料,ヒト臨床検体におけるラマンスペクトルの特徴,および末梢神経と周囲組織を構成する分子の種類,構造について詳細に議論するために特に予算を使用する.また,順調に研究を推進できているため,これまでに見出された非線形ラマン顕微鏡顕微鏡への応用についても今後注力するため予算を使用する.
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