2012 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学を基盤とした自己細胞による血友病治療の創出
Project/Area Number |
24300174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大橋 一夫 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (40364062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 正道 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00338980)
杉本 充彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80192128)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血友病 / 再生医療 / 細胞移植 / 遺伝子治療 / 組織工学 |
Research Abstract |
本申請研究では、血友病患者の自己細胞を用いた治療開発を将来目標とし、血友病マウスモデルを用いた基礎実験を行うものである。平成24年度の本申請研究においては、血友病個体から分離できる細胞と増殖の可能性についての研究を目的に、血友病BのモデルマウスであるFactor IX knockout(FIX-KO)マウスを用いて血液派生血管内皮前駆細胞(Blood Outgrowth Endothelial Progenitor Cells,BOECs)および脂肪組織由来幹細胞(Adipose Tissue-derived StemCells,ADSCs)の分離および増殖の可能性についての探索研究を行い、以下の知見を得た。 (1)血友病マウス個体からのBOECsの分離: FIX-KOマウスから全血約10mLを抗凝固剤を用いて採取し、プール末梢血を作った。ヒストパーク1077による濃度勾配遠心法にて単核球層を分離し、コラーゲンコートした培養皿に1x10^5個/cm^2の密度で播種した。FBS含有MCDB131培養液にVEGF,EGF等を添加した培養液にて培養を行ったところ、約2週間後より敷石状形態を有する細胞のコロニー形成を認め、BOECsが増殖・樹立したことが強く示唆された。細胞は継続的に増殖し、4週間後にはコンフルエントに達し、約2x10^6個の細胞を回収し、凍結保存した。 (2)血友病マウス個体からのADSCsの分離: FIX|KOマウス5匹から鼠径部脂肪組織を採取し、コラゲナーゼ酵素処理にて細胞分散を行い、FBS含有培養液にて約2週間培養を行うことによって、1x10^7個以上の細胞を得た。これらの細胞は、4継代以上の増殖が可能なこと、線維芽細胞様の形態を有していること、また細胞表面マーカーとしてCD29^+,CD44^+,CD90^+,CD33^-,CD45^-であることを確認し、間葉系幹細胞の性質も確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血友病個体から分離できる細胞で、将来的な細部治療に応用が可能な細胞として、血液派生血管内皮前駆細胞と脂肪組織由来幹細胞の2系統が少なくとも有用であることを明らかとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究成果をさらに確かなものとし、また、発展させるため、血友病個体由来の血液派生血管内皮前駆細胞の正常を、非病態由来の同細胞との比較検討を行いながら、研究をすすめていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子導入の細胞評価を計画しているため、研究備品として蛍光顕微鏡の購入を計画している。また、分離細胞を生体内に注入移植した際の正着も、同機器にて評価予定である。
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Research Products
(19 results)