2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24300177
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
陳 国平 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, ユニット長 (50357505)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マトリックス / 足場材料 / 三次元細胞培養 / 鋳型法 / 脱細胞化 / 多孔質構造 / 生体親和性 |
Research Abstract |
平成24年度に最適化した作製方法により、動物実験モデルとしてマウスを用いて自家細胞由来のECM足場材料を作製し、その生体親和性を調べた。まず、マウスの耳からわずかな皮膚の検体を採取し、コラーゲナーゼで処理することによって皮膚の線維芽細胞を単離した。単離した線維芽細胞を増殖培地で培養し、三次元培養に必要な細胞数にまで増殖させた。このようにして得られた線維芽細胞を鋳型のPLGAメッシュに播種し、平成24年度に最適化した作製方法を用いて、マウス細胞由来のECM足場材料を作製した。作製したECM足場材料は多孔質構造をもつとともに、鋳型のメッシュの形状を反映した外観を示した。細胞成分が除去されたことは、組織染色及びDNAの定量実験により確認した。また、免疫染色により、ECM足場材料の主要成分はI型コラーゲン、III型コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、デコリンとビグリカンであることが分かった。作製したマウスのECM足場材料は、細胞を採取した同一個体のマウスの背中皮下に自家移植した。対照として、同種のECM足場材料、ウシ由来コラーゲンスポンジ、PLGAニットメッシュもマウスに移植した。移植足場材料によるホスト組織反応の有無を調べるため、移植1週間後に足場材料と周囲組織を採取し、組織染色による細胞の形態、免疫組織化学的染色により細胞の種類、サイトカイン遺伝子の発現を調べた。その結果、同種ECM足場材料とウシコラーゲンスポンジ、PLGAニットメッシュにおいてホスト組織反応が見られた。一方、自家ECM足場材料はホスト組織により外来の異物として認識されることはなく、周囲の組織ともよく結合した。よって、自家細胞を用いて作製したECM足場材料は優れた生体親和性をもつことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に最適化した作製方法により、動物実験モデルとしてマウスを用いて、マウスの皮膚由来の線維芽細胞を培養してマウス自家細胞由来のマトリックス足場材料を作製した。マウスの背中皮下への移植実験により、自家細胞由来のマトリックス足場材料が優れた生体親和性をもつことを確認することができた。以上のように、計画通りの研究成果が得られたと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに作製したECM足場材料を用いて間葉系幹細胞と線維芽細胞を培養し、ECM足場材料による細胞機能と組織再生への影響を明らかにする。
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Research Products
(12 results)
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[Book] World Scientific2013
Author(s)
Guoping Chen, Takashi Hoshiba, Naoki Kawazoe
Total Pages
13
Publisher
Tissue Regeneration: Where Nano-Structures Meets Biology
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