2015 Fiscal Year Annual Research Report
生体でのBMPによる骨形成機序に裏付けられた低侵襲性歯槽骨再生遺伝子治療の開発
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24300182
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 敏男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30107776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河井 まりこ 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40379839)
池亀 美華 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70282986)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯槽骨 / 遺伝子導入 / 骨再生 / BMP / electroporation |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究においてBMP-2/7遺伝子導入部位では,導入1日後から血球・リンパ系細胞の浸潤を伴う炎症反応がみられ,3日後に最も顕著であった。導入5日後においては炎症の収束と共に新生骨の出現が認められ,7日後では既存の骨に新生骨が添加されていた。 平成27年度は,上記の所見を基にBMP遺伝子導入によって出現する骨形成細胞の由来に着目した。従来,electroporation法では導入部位周囲の未分化な細胞,線維芽細胞等が骨芽細胞に転化すると推察されている。他方,本方法では遺伝子導入時に組織内に微少な出血を伴うと同時に遺伝子導入が行われる。前述の如く,血球・リンパ系細胞の出現後に新生骨の出現がみられることから,骨芽細胞の起源の一つとして血流中の骨髄系幹細胞を考慮する必要がある。そこで,遺伝子改変動物であるGFPラットの骨髄を通常のラットに移植し,移植ラットにBMP遺伝子導入して骨形成過程を観察した。GFPの検出は坑GFP抗体を用いた。導入3日後では炎症反応がみられ,血球・リンパ系の細胞はGFP陽性を呈していた。また,紡錘状を呈した線維芽細胞様の細胞にもGFP陽性を呈するものが観察された。10日後では,新生の添加骨が認められ,破骨細胞はGFP陽性をであったが骨芽細胞はGFP陰性であった。 遺伝子導入3日後に線維芽細胞の様相を呈する細胞がGFP陽性を呈したことから,骨髄由来の細胞が遺伝子導入により線維芽細胞様細胞に転化したと考えられた。10日後にみられた新生骨の骨芽細胞はGFP陰性であったので骨髄由来ではないと考えられる。今回,骨髄由来の細胞が骨芽細胞に転化したという直接的な所見は得られなかったが,従来の研究で骨周囲の線維芽細胞様細胞がBMP陽性を呈し,骨芽細胞への分化を示唆する像が得られていることから,3日後にみられたGFP陽性の線維芽細胞様細胞から骨芽細胞への分化についてはさらに検討を要する。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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