2014 Fiscal Year Annual Research Report
咳嗽リハビリ導入により生命予後を改善する新規包括的呼吸リハビリの開発研究
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24300187
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
海老原 覚 東邦大学, 医学部, 教授 (90323013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上月 正博 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70234698)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 咳嗽 / 咳衝動 / 性差 / 咳嗽評価法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず咳嗽の評価法・制御の方法の系統的解析を現時点での総括として海外の研究者と共同で行った。まずその総括重要性についてのステートメントを”Overview of the management of cough”としてChest. 2014 Oct;146(4):885-9に報告した。さらに総括の方法論について研究しその成果を”Methodologies for the development of the management of cough”としてChest. 2014 Nov;146(5):1395-402に報告した。さらにその基盤となる咳嗽の神経性調節制御とその解剖学的最新知見について”Anatomy and neurophysiology of cough”としてChest. 2014 Dec;146(6):1633-48に報告した。さらに現時点での咳嗽の評価法全てについて評価し”Tools for assessing outcomes in studies of chronic cough”としてChest. 2015 Mar;147(3):804-14に報告した。これらは研究全体をまとめるときの重要な足がかりとなる。 さらに咳嗽による症状緩和のメカニズムについて性差の点に注目して解析し、性差別の咳嗽リハビリテーションプロトコールにアプローチしその成果を、”Gender differences in the effect of urge-to-cough and dyspnea on perception of pain in healthy adults”としてPhysiol Rep. 2014 Aug 28;2(8)に報告した。さらに呼吸リハビリテーションとQOLに大きく関わる味覚の関連についても解析し”Improvement in taste sensitivity following pulmonary rehabilitation in patients with chronic obstructive pulmonary disease.”としてJ Rehabil Med. 2014 Oct;46(9):932-6に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年東北大学から東邦大学に転任になり、一緒に研究していた東北大学の大学院生らがほどなく東北大学を辞めていき、東北大学にて研究を行うことが不可能になった。そこで一部まだ途中であった臨床研究を東邦大学で行う必要があり、そのための倫理委員会の承認を再び東邦大学で得なければならず、そのために時間を要している。また、研究スタッフの教育においても東邦大学にて一からやり直さなければならず、その時間も要している。さらに設備面でも私学の東邦大学には国立の東北大学にて購入した備品などの移設が煩雑であり、そのための時間を要しており、いくつかの備品においては物理的に移動が無理であるため再購入・再設置が必要で障害となっている。しかし、東邦大学赴任後これらの困難は徐々に解決されてきており、今後ラストスパートをかけて研究を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの咳嗽制御についての本研究での知見を取り入れ、咳嗽リハビリテーションプログラムを改良する。それとともに咳嗽とそれに付随する呼吸困難感制御における新しい知見を体性感覚刺激の知見より研究する。同時に咳嗽リハビリテーションプログラムをその個体に対する介入のみならずその個体を取り巻く環境にまで介入するものと広げて考えるようにし、そのためのエビデンスの構築の研究をする。そのように本年度の上半期に咳嗽リハビリテーションプログラムのブラッシュアップをしたのちに、咳嗽リハビリテーションRCTの東邦大学におけるエントリーを開始する。その際の咳嗽の評価法として昨年度の評価法総括のみならず現在進行中の新しい咳モニターシステムの応用も考えることとする。このための新しい音声解読技術を開発する予定である。
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Causes of Carryover |
東北大学から東邦大学の移転に伴い、東北大学と同じ臨床研究プロトコールの倫理委員会の承認をもう一度東邦大学の倫理委員会にて行う必要があった。咳反射刺激物質溶解のための遠心機と精密天秤を買う予定であったが、その研究プロトコールの東邦大学倫理員会の承認を得てから買うのが筋と考え、それを待っていいたがために購入が遅れ次年度使用額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
先日、倫理委員会承認を得たことより遠心機と精密天秤を本年度早々に購入し、咳反射刺激物質を使った咳反射チャレンジテストによる研究を促進させる予定である。その他、試薬などの消耗品や旅費、技術補佐員の人件費、論文英文校閲や投稿料などの雑費にてすべての繰越額と配分額すべて使い切る予定である。
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Research Products
(9 results)