2013 Fiscal Year Annual Research Report
感覚器へのフィードバックを用いた起立不全の予防システムの構築
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24300198
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
淺間 一 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50184156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 民夫 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40111463)
高草木 薫 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10206732)
山下 淳 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30334957)
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60401064)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 介護予防・支援技術 / 起立不全 / フィードバック / 感覚器 |
Research Abstract |
本研究では,高齢者の起立不全の予防を目的とし,高齢者の感覚器へのフィードバックを付与することで,転倒などの不安から生じる心理的障壁を克服できるシステムを構築することを目的とする. 高齢者の多くは,自身で無意識に身体能力を制限してしまい(心理的障壁),それが身体機能改善の障害となっている.そこで本研究では,起立時の状態を実時間で計測し,目標の状態との差を視覚・触覚・聴覚へ感覚刺激としてフィードバックするシステムを構築し,システムを繰り返し使用する際に,高齢者に気づかれない範囲で徐々に目標状態を最適な動作に漸近させ,高齢者の動作を誘導し,自然に心理的障壁を克服できるシステムを構築する. 平成25年度は,平成24年度に構築した実験系を用いた被験者実験より感覚マッピング・フィードバック情報・最大可能修正量の決定を行う手法を構築した. (1) フィードバック情報の決定:申請者の先行研究では,起立動作初期に複数の筋肉の協同発揮によって前屈動作が生成されていることが明らかとなっているが,高齢者の運動を誘導する際の教示信号として何をフィードバックすべきなのかは解明されていない.特に人が運動する際には,各筋肉が活性化し,個々の関節にトルクが生じ,実際の身体運動が生成される.そこで本研究では,人が動作を遂行するために有効なフィードバック情報を調べた. (2) 目標状態修正の実装:感覚器にフィードバックする際に基準とする目標状態を高齢者が気づかない範囲で徐々に修正し,最適状態に漸近させることで,高齢者の動作を誘導し,心理的障壁の克服を行うシステムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画していた内容をおおむね達成できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,平成25年度までに得られた知見,構築した手法や実験系をもとに,高齢者の起立不全の予防を目的として,高齢者の感覚器へのフィードバックを与えるための理論の構築,およびフィードバックを与えるシステムの構築を行う.具体的には,様々な状況における適応的な起立動作の解析と,その知見をもとに得られた感覚器へのフィードバック手法について取り扱う.
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