2013 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障がい者のための実時間環境光認知スコープの開発
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24300199
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
牧野 秀夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80115071)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 可視光通信 / 視覚障がい者 / 魚眼レンズ / 屋内測位 / LED照明 |
Research Abstract |
平成25年度の研究実績 平成24年度に得られた成果を基にして,実時間環境光受信器に関する評価・改良ならびに測位アルゴリズムの改良を行った.特に,簡易型の小型ロボットに受光器を取り付けた際の動作確認と動作環境における問題点を検討し,制御ソフトウェアにフィードバックすることができた.ここで,すでに実用化を目指して開発されている情報送信型LED照明を新潟大学情報理工棟1階に長期間設置することにより,魚眼レンズを用いた受光器の特性を詳細に把握することができた.すなわち,外光によるセンサへの影響,LED照明との距離による測位誤差の変化等である. 実験では,まず卓上照明環境における小型ロボットの自立走行実験を行い,受光器の動的な特性を把握した.さらに,実用面で重要となる情報送信型LED照明の最適設置数を検討し,ひと部屋当たりの当該照明個数の低減と他の照明器具を用いた測位精度の向上方法を提案した.さらにオプティカルフローを用いた移動時の照明器具推定方法についても検討した.これらの成果を,IPIN2013(屋内測位とナビゲーション国際会議2013年),その他学会等で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1)可視光受信器本体について:当初予定していたサイズの10cm×10cmよりも小型の5cm×5cmの受光器を開発することができたため,人間の肩や小型ロボットに実装した実験を行うことが可能となった. 2)実用的な照明器具の開発について:研究協力企業との連携により,ほぼ実用化に近い情報送信型LED照明器具を開発し,大学建物内での長期実験が可能となった. 3)歩行案内および小型ロボットの制御について:動きに伴う受光センサの揺れを客観的にとらえるために,小型ロボットに実際に受光器を搭載し,測位実験を行いながら自動走行を行うことが可能となった.さらに,日本科学未来館で開催された国土交通省国土地理院主催のGeoアクティビティフェスタにおいて「最優秀賞」を受賞した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的の一つである環境光からの高精度測位を実現するために,以下の研究を推進する. 1)小型高感度CMOSイメージセンサの実装:これまで得られた成果により,単一の魚眼カメラにより静止時の高精度位置計測が可能となっている.そこで,移動時の精度をより高めるために遠方からの環境光にも対応しながら実時間で測位を可能とする高速高解像度のCMOSイメージセンサの共同開発を行う. 2)小型移動ロボットに受光センサ,制御装置,通信装置をすべて組み込み,単独での自立走行を可能とする. 3)受光器および制御装置をできる限り小型化し,視覚障がい者の歩行支援をクラウド的に支援する案内装置を開発する. 課題としては,特殊な用途となる高速・高感度のCMOSイメージセンサの開発である.ただし,研究協力企業との連携により機能そのものは実現可能であり,全体の簡素化によるコスト削減が基本的な課題である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度3月にすでに物品を購入しているが,支払が4月となったため. すでに平成25年3月に物品を購入し研究に役立てている.
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