2013 Fiscal Year Annual Research Report
特定部位の筋機能を強化するトレーニング・システムの開発
Project/Area Number |
24300220
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
伊坂 忠夫 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30247811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 俊之 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (10454076)
塩澤 成弘 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (30411250)
藤田 聡 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80451863)
後藤 一成 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60508258)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | トレーニング科学 / スポーツバイオメカニクス |
Research Abstract |
1.下肢多関節動作に伴う一過性の筋の応答 (1)トレーニング動作後の血中ホルモン分泌の定量(後藤)、体組成変化(浜岡、栗原)として、安静時と運動後に血中ホルモン濃度や血中糖、脂質濃度、血中炎症性、そのほか血中物質濃度を測定する。また、DXA法および磁気共鳴画像法(MRI)により、全身筋量・脂肪量、各部位の筋断面積・脂肪断面積を測定する。 (2)トレーニング動作の動作解析と表面筋電図法により各筋が発揮した筋力の推定(大塚、吉岡)として、運動時の肘関節角度・角速度、発揮トルクを計測し、同時に膝関節主働筋である大腿四頭筋および拮抗筋である大腿二頭筋から表面筋電図法により筋活動量を導出し、各筋が発揮している筋力の推定を行う。 (3)MRI-T2画像を用いた筋活動量の筋内部位差(栗原)として、安静時と運動後の上腕二頭筋および上腕三頭筋の横緩和時間(T2)を計測し筋が活動した部位とその面積を特定する。 2.下肢多関節動作用トレーニング機器の開発・改良 開発中の「下肢用ハイブリッド型(慣性、剛性、粘性の性質をすべて含む)トレーニングマシーン」を実機として使用するためには、慣性、剛性、粘性の各パラメータを思い通りに制御するための調整が必要である。また、実際のトレーニングに応用するために、被験者の動きが窮屈になったり、狙い通りの動作ができなくなったりしてはならない。そのために、実際にマシーンを動作確認し、得られる実測データを観察し、被験者の感性なども確認しつつ、試行錯誤しながら機器の開発・改良を進める。 3.長期トレーニング実験の検討 上記1および2を進めながらねらいとする筋部位の発達ならびに筋機能の向上を目的とした長期トレーニングの内容を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は4月より研究専門員を採用し、下肢多関節動作用のレーニング機器の開発・改良に重点を置き、取り組んだ。開発した機器は安全性を考慮し、パッシブな運動負荷を実現している。また、定量的な評価を可能とするために、解析用のアプリケーションの実装にも取り組んだ。これに関しては、被験者へのセンサの配置や運動の拘束を最小限に留めながら、多関節運動中の各関節発揮力の推定を可能としている。 装置運用面に関しては、トレーニング方法と効果の選定をするために、定期的にメンバー間でミーティングを実施し、研究を進めてきたため、ほぼ順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
下肢多関節動作用トレーニング機器を用いた長期トレーニング実験 平成25年度までに開発・改良したトレーニングマシーンを用いて、長期トレーニング実験を行う。被験者は日常的にトレーニングを行っていない若年層10名程度とし、週3回12週間のトレーニングを実施する。12週間のトレーニング期間の前後および期間内にいくつかの検査項目を測定する。検査項目は、等尺性および等速性の最大筋力、トルク-角度-角速度曲線、VO2Max(最大無酸素パワー)、全身の脂肪量・筋量(MRI)を考えている。 トレーニングの内容はプレ実験を重ね慎重に選定する。 また、より高い実用性をめざし、日常的にレジスタンストレーニングを行っている競技者数名に対し、当機器によるトレーニングを体験してもらい、意図した効果が得られるか感性評価をしてもらう。感性評価の高かった競技者に、短期間~長期間のトレーニングに参加してもらう。 当研究で得られた知見は、国内外の学会で発表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
採択初年度より、専門研究員を採用予定であったが、条件に合う人材が見あたらず、初年度の採用を見送った。採択2年目(平成25年度)は、4月より専門研究員を採用し、平成25年4月から平成26年3月までの採用予定となったため、平成26年度の人件費として、繰越した。 科研費採用の専門研究員の都合(転籍)により、平成26年度の予定人件費の使用見込みがたたなくなったため、使用費目を物品費、旅費等に振り分けた。 昨年度採用の研究専門員は、今年度引き続き、当研究のメイン担当として研究をサポートできる環境にあるため、研究結果の普及活動(国外内での学会発表)を行うための費用として、旅費等を使用する。
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Research Products
(2 results)