2012 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪肝蓄積と高血圧を結ぶ情報ネットワーク機構の解明と健康科学への応用
Project/Area Number |
24300227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨樫 整 山形大学, 保健管理センター, 教授 (60192209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉手 英利 山形大学, 理学部, 教授 (90163675)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 応用健康科学 / 保健健康管理 / NAFLD / 高血圧 / 大学新入生 |
Research Abstract |
【背景と目的】身体的成長から成熟へと向かう移行世代である大学新入生は、生活習慣病の合併に乏しく、外来や入院患者に比べNAFLDの意義を明らかにするのに適した集団と考えられる。本研究の目的は、大学新入生を対象として、ARFIによる肝硬度にて診断したNAFLDの臨床的意義を明らかにすることである。 【対象と方法】同意の得られた非肥満学生261名(男160、女101)を対象にした。正常群(18.5〓BMI<25)は127人、過体重群(25〓BMI<30)は134人であった。学生生活の落ち着いた時期に、身体測定、血圧測定、血液検査を行った。収縮期130mmHg〓または拡張期85mmHg〓を高血圧(正常高血圧を含む)と判断した。NAFLDの診断は、腹部エコー(シーメンス社)により行いARFI(imagingにて肝硬度を測定した。 【成績】全例では、主な異常項目はNAFLD(39.1%)、HOMA-IR高値(36.0%)、高血圧(36.0%)であった。ARFIによる肝硬度(Vs値)は、エコーによる脂肪肝の程度と有意な逆相関を示した(r=(0.522、P<1×10^<-8>)。ROC解析によるARFI肝硬度では、脂肪肝のカットオフ値は、1.13であり、ARFIイメージングによるNAFLD群(〓1.13)と非NAFLD群(1.13<)を比較した。収縮期血圧、拡張期血圧とも、NAFLD群において非NAFLD群に比べ有意に高値であった(P<1×10-13、P<1×10^<-6>)。また、肝硬度は、収縮期血圧、拡張期血圧と強い負の相関関係を示した(P<2×10^<-18>、P<2×10^<-10>)。多重ロジスティック解析では、男性(OR5.09,P<0.001)、肝硬度低下(肝脂肪蓄積:OR 0.399, P<0.001)及びHOMA-IR(OR 1.39, P<0.03)が高血圧の存在に関わる独立した危険因子であった。 【結論】身体的成長から成熟へと向かう移行世代において、ARFI imagingは軽微な脂肪沈着を検知し、肝硬度の低下すなわち肝への脂肪沈着は、高血圧の存在と密接に関連することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、研究体制構築に力を入れた。研究は、研究計画に則して順調に遂行され、その成果については英文論文を作成しており、投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
解析対象者を増やし、血液からDNAを採取し、遺伝子解析を中心に研究を遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画に変更はない。
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Research Products
(9 results)