2014 Fiscal Year Annual Research Report
晩婚化に伴う個体発生初期要因変化が児の発達に及ぼす影響の検証:健康教育の視点から
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24300228
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 司 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50235256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡井 崇 昭和大学, 医学部, 教授 (40126016)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生殖医療 / 行動・情緒発達(CBCL) / 対人反応(SRS) / 凍結胚 / 顕微受精 / 出生体重 / 保健教育 / 生涯教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に行った研究活動は以下の3つである。一つは、生殖補助医療により妊娠したお子さんと自然妊娠のお子さんとのその後の成長のフォローである。具体的には協力者のお子さんの各出生月に身長測定用メジャーと返信用葉書きをお送りし、誕生日前後の身長、体重について記録の上返送いただいた。データについては逐次電磁化しているが、その解析はこれからである。なお延長を許可頂いたので、今年4月以後もこれを継続する予定である。二点目は、生殖医療と晩婚化が出産と社会に及ぼす影響を考える材料として、晩婚化が生殖機能に及ぼす影響ならびに生殖医療に関する知識を、若年成人がどの程度知っているかの調査を、大学生を対象に行った。対象とした大学生は全国でもトップレベルの大学の学生であるが、女性の妊娠力が難さ頃から低下するかとの問いに正解できた学生はドン所とも4割弱にしかすぎず、また不妊の原因が男性にある場合と女性にある場合の割合がほとんど変わらないことについては、女子学生は半分程度、男子学生4分の1しか知らなかった。また生殖補助医療の存在については女子学生の3割、男子学生の4割が全く知らないと回答した。本研究の結果を社会に発信する際には、妊娠、出産に関するきちんとした知識の提供も同時に必要であることが強く示唆された。三点目は本研究の結果の研究協力者へのフィードバック用冊子の作成である。これは一般の社会人・学生・生徒への発信を行う際の下敷きとして作成するもので、協力者のこの冊子への感想をもとに一般者への情報発信方法を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者への結果報告と協力者からの感想・フィードバック、ならびに若者(大学生)の知識レベルとこの協力者からの感想・フィードバックをもとにした一般者への出産高齢化並びに生殖医療に関する情報発信(本研究結果を含めて)の準備が、主たる研究補助者の家庭の事情により完了していない。また学会発表、論文化が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者への結果報告書は基本的に完成しているが、若干の図表の間違いが見つかったので、現在それを修正中で、修正したものを協力者に発送、協力者の本研究結果への感想をフィードバックして頂き、それを若者(大学生)の知識レベルの調査結果と合わせて参考にして、一般者への出産高齢化並びに生殖医療に関する教育的情報発信方法についての検討と実際の情報発信(冊子体のものとHP上での発信)を行って、一般者の反応を検討する。また身長・体重の継続的調査データを研究当初に得られた出生時からのデータと合わせて、身体発育に対する生殖補助医療ならびにその種類による影響をより長期で縦断的に解析する。なお1)生殖補助医療並びにその方法(凍結胚vs.新鮮胚等)の4-5歳時点での行動発達への影響に関する解析、2)身体発育への縦断的解析、3)一般者への加齢の妊娠に対する影響と生殖医療に関する知識に関する情報発信方法に関する検討の3つを論文化し、HP、学会発表などでも公表する。
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Causes of Carryover |
主たる研究補助者が家庭の事情により研究に従事できない期間が数か月以上続いたためである。このため研究協力者への結果報告と協力者からの感想・フィードバック、ならびに若者(大学生)の知識レベルとこの協力者からの感想・フィードバックをもとにした一般者への出産高齢化並びに生殖医療に関する情報発信(本研究結果を含めて)の準備、さらに学会発表、論文化が遅れている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究協力者への報告書の発送、一般者への啓発的情報発信(冊子体の作成含む)、身体発育の縦断的調査の継続、並びにこれらに要する人件費にあてる。
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