2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24300232
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
荒尾 孝 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00409707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 晃生 東海大学, 体育学部, 准教授 (40547973)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 身体活動 / 集団戦略 / インセンティブ / 地域介入 / ヘルスプロモーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域住民のうち中高年者と高齢者を対象とした身体活動促進の集団戦略をそれぞれ開発・展開し、その効果を検証することである。本年度は、昨年度実施したベースライン調査の集計・分析、介入地域において身体活動促進のための環境整備および介入1年目の効果評価のための調査をそれぞれ実施した。 ベースライン調査は、介入・対照の各地域で無作為抽出した3,200人を対象に、質問紙を用いた郵送法により実施した。主な調査項目は身体活動量、運動・身体活動に関する認知、意識、意欲、態度およびその他の生活習慣などであった。対照地域842人、介入地域863人を解析対象者とし、両地域の運動・身体活動に関する集団特性の違いについて検証するために性、年齢、BMI、主観的健康感、就業状況、最終卒業学校、同居家族の有無を調整したロジスティック回帰分析を実施した。その結果、介入地域では身体活動に適した物理的環境の認知、運動・スポーツをする機会・場面は良好な状況にあった。一方、運動・スポーツ実施者の目撃頻と身体活動量(週23メッツ・時/週の達成)は対照群で良好な状況であった。これらの結果については第72回日本公衆衛生学会(三重県津市)において発表(2演題)した。身体活動促進の集団戦略としては、介入地域の保健センター機能を有した運動施設の開設(物理的環境の整備)、健康マイレージ制度の導入(政策的環境の整備)、地域住民の健康推進ボランティアの育成(人的資源の整備)、また以上の介入プログラムについてCA-TV、ラジオによる広報活動を行った。介入1年目の効果評価のために、昨年度実施したベースライン調査項目と同じ内容について調査を実施した。 今後は、介入地域において中高年者を対象としたウォーキング普及戦略と高齢者を対象とした膝痛改善体操の普及戦略を実施する。また、本年度末には介入2年目のフォローアップ調査を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究目標が、研究対象地域(介入地域と対照地域)の行政担当者等との協力関係を構築し、2年度以降の集団戦略的介入プログラムの実践に向けた準備をすることであった。これらのことは介入地域に変更があったものの、ほぼ予定の事項が達成された。 研究2年度の目標は、介入地域において集団的介入戦略の基盤である環境整備として運動施設の整備、健康づくり活動に対するインセンティブ制度の導入、健康づくりの住民リーダーである健康づくりコーディネーターの養成、健康づくり情報の発信であった。これらの事項についてすべて実践できた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度である今年度は、介入のターゲットごとの身体活動促進のための集団戦略を実施することになる。すなわち、中高年者を対象とした戦略としては、誰でも何時でも何処でも実施可能なウォーキングを普及させる活動を実施する。具体的には、地区ごとに自主活動グループとしてウォーキングクラブを育成し、その活動の強化を図るためにリーダー養成とネットワークを構築する。また、高齢者をターゲットとした戦略としては、高齢者の大きな身体活動阻害因子である運動器系障害(特に、膝痛、膝関節症)の予防改善を図るプログラムを普及させる活動を実施する。具体的には、我々がこれまでに開発した膝痛の予防改善体操を普及させるために地域の老人クラブとの連携による情報提供や体操普及員の養成を行う。これらの活動を行った上で、今年度末には介入2年間の効果評価のための調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に実施した1年目の効果評価のための調査の回収時期が次年度にずれ込んだために、郵便代金後納分が次年度使用となった。 前年度末に実施した調査の質問票回収のための郵便代金後納として、平成26年4月から5月に支払いを行う予定である。
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Research Products
(5 results)