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2013 Fiscal Year Annual Research Report

新しい原理と装置に基づいた食品のテクスチャー測定に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24300251
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

櫻井 直樹  広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (90136010)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords食感 / 食品 / 振動 / 加速度ピックアップ / 摩擦係数 / テクスチャー
Research Abstract

平成24年度に作成した自由滑走する食感測定装置は、次の問題点があることが分かった。
1.自由滑走するプローブの滑走時の振動を低減することができない。このため、プローブ自身の振動と食品を破砕した時の振動を区別することができない。
2.サンプルにプローブが挿入される直前の速度を正確に測定することができない。
3.実際にヒトがものを咀嚼する際の速度の下限20mm/秒を実現することができない。
このため、重力を利用した天秤型の食感測定装置を平成25年度に試作した。この装置は天秤の一方にプローブとおもりを装着し、もう一方にはバランス用のおもりを装着するようになっている。これにより、左右の錘の重さをわずかにずらすことにより、重力加速度を制御することができる。理論的には左右のバランスをおもりの全重量を500グラムとした時、1グラムの差で降下距離を100ミリとしたとき、上述の20mm/秒を実現することができる。また左右の錘の合計を任意に変えて、おとなの場合の下顎の重さが1000グラムであることを想定した実験もできる。これにより、スムースなプローブの運動が実現され、上述の問題点1が解決された。また、プローブを装着した棒の速度を測定するためにエンコーダを装着したので、サンプルにプローブが差し込まれる直前の速度が3ケタの精度で実測でき、上述の問題点2が解決された。また、プローブが食品に差し込まれた後の速度の変化も実測でき、これが新しい食感指標を提案するデータを与える可能性が生じた。また、理論上天秤の左右のバランスを変えることにより任意のプローブ速度を実現することができ、上述の問題点3を解決することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度(平成24年度)は自由滑走させるためにエアスライドを考えていたが、エアスライドが非常に高価なため、試行錯誤を重ねて、天秤型の試作装置を平成25年度に完成させた。
この天秤型装置は当初の目標である、(1)プローブ速度の変化、(2)初速度の測定、(3)プローブ重量の変更、すべてを実現することができるので、当初の目標をほぼ達成した装置が完成したと考えられる。また、当初は考えていなかった、サンプルにプローブが挿入されてから後の速度の変化までわかることが判明した。この速度低減変化の様子を食感指標として評価することができる。
しかし、天秤型装置は、機械的な部分が多いため、摩擦の低減という課題が残っている。特に、プローブの速度をモニターするためのエンコーダが接触式のため、この摩擦がどの程度測定に障害となるかを見極めなければならない。また天秤型のため、プローブを垂直に運動させるためには、軸に対するモーメントが運動中に変化する。このモーメントの変化は、意外と大きく、プローブが一定の加速度で加速されないという問題点が残っている。初速度は正確に測定できるので、食感指標の計算には支障がないと考えられる。
以上のように、本研究の目的である、新しい原理と装置に基づいた食品のテクスチャーを、新しい食感指標で表現するという目的には着実に近づいていると考え、おおむね順調に進展しているとした。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、平成25年度に試作した天秤型装置を用いた測定を行い、改良点を洗い出したい。特に、プローブの速度をモニターするエンコーダが回転式接触型なので、これによる摩擦が左右の重量バランスの差が小さいときに、低速で動くプローブを停止してしまわないかを検討する。
計算上は、ヒトが食品を咀嚼するときの最低速度20㎜/秒を実現するためには、左右天秤の重さのバランスは1グラムの差しかなく、これで装置を動かすためには、各支点などの摩擦係数が問題となる。本年度はこれらの支点の摩擦を評価し、できるだけ体現させることを行いたい。
食品の発生する振動はこれまで通り、加速度ピックアップで取り出し、エネルギー食感指標(ETI、Energy Texture Index)として評価する一方で、新しい食感指標である、食品摩擦係数もプローブの初速度を新しいパラメータとして利用して求めたい。また、上にも述べたように、プローブが食品に挿入されたのちに速度が低減し、最終的に0となる場合には、理論的に、(1)直線的減少、(2)上に凸の減少、(3)下に凸の減少、の3通りのパターンが考えられる。食品によりこのプローブ速度の減少が3パターンに分かれれば、新しい食品の評価法が生まれる可能性が高い。これについても研究を進めたいと考えている。
最終的には、実用機としてエネルギー食感指標、食品摩擦係数、摩擦曲線から得られる指標を計算し表示するパソコン上で、装置の駆動操作が行える一体型の装置を完成させたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前年度初期に試作機を作成する予定であったが、試作機の完成が年度末にずれ込み、試作機の評価を行うための、人件費が残余金として残った為。
平成26年度に、年度末に完成した試作機の評価を行うための人件費として、残余金を使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 食感測定装置による食物の食感評価法の開発について2013

    • Author(s)
      櫻井 直樹
    • Journal Title

      日本バーチャルリアリティ学会誌

      Volume: 18 Pages: 34~38

  • [Journal Article] Acoustic vibration method for food texture evaluation using an accelerometer sensor.2013

    • Author(s)
      Iwatani, S., H. Akimoto and N. Sakurai
    • Journal Title

      J. Food Engineering

      Volume: 115 Pages: 26~32

    • DOI

      10.1016/j.jfoodeng.2012.09.015

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 新しい原理による自由滑走型食感測定装置2013

    • Author(s)
      櫻井直樹、秋元秀美
    • Organizer
      日本食品科学工学会
    • Place of Presentation
      実践女子大
    • Year and Date
      20130829-20130831

URL: 

Published: 2015-05-28  

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