2014 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害学生のための専門教育に特化した授業支援システムの検討
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24300264
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 伸子 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (90279555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 一郎 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (00237182)
三好 茂樹 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (80310192)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 音声認識 / 直接校正 / 聴覚障害者 / 情報保障 / 専門用語 / キーワード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、直接校正方式での音声認識により作成された字幕が、専門教育の観点からわかりやすいかどうかを判断する指標を作成すること、および誤認識を含む可能性がある音声認識字幕を聴覚障害学生にとって理解しやすく表示する方法を検討することを目的とする。 平成26年度は、キーワードをもとに音声認識の指標を算出するシステムの作成を行った。本システムでは、文単位で、あるいはある時間の発話全体など文のまとまりの単位で、どの程度認識しているかを確認する指標を算出することが可能である。指標として、形態素単位での認識率、正解率と合わせて、キーワード再現率を表示することが可能となっている。ここで用いるキーワードは、専門の講義で確実に伝達することが求められる専門用語等で、講義資料からキーワードを抽出した。 作成したシステムを用いて、実際の講義の音声に対して音声認識を行った文章、パソコン文字通訳者により作成された文章において、指標の計算を試みた。その結果、キーワード再現率と文章の認識率・再現率には強い相関が見られることがわかった。また、音声認識では不要語、冗長語等が原因の誤認識が多く見られ、これらは表示文中で多くの挿入誤りをもたらす原因となっていることがわかった。これらの挿入誤りは、正解率が大きく下がる要因となっているものの、繰り返される定型の誤認識等は、聴覚障害者にとっても訂正しやすい誤りとなっている。キーワード再現率は、このような影響を受けにくく、専門的な内容の理解しやすさを反映した指標となっていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり指標算出システムの作成を行い、その検証を進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
字幕の誤りの量と遅延時間に着目し、聴覚障害学生への表示方法を検討する。
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