2014 Fiscal Year Annual Research Report
美術館の所蔵作品を活用した鑑賞教育プログラムの開発
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24300315
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Research Institution | The National Museum of Modern Art, Tokyo |
Principal Investigator |
一條 彰子 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課教育普及室, 主任研究員 (40321559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 行一 帝京科学大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40284426)
奥村 高明 聖徳大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80413904)
岡田 京子 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (40615506)
寺島 洋子 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, その他部局等, 主任研究員 (00270421)
今井 陽子 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 工芸課, 主任研究員 (60290871)
藤田 千織 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, その他部局等, 主任研究員 (70419886)
細谷 美宇 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 研究補佐員 (30639539)
室屋 泰三 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (30537329)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 鑑賞教育 / 美術館 / 所蔵作品 / 学習指導要領 / 学校連携 / 北米 / オーストラリア / 博物館 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現在国内外で行われている鑑賞教育の理論と方法を整理したうえで、学習指導要領に関連付けたプログラムを、国立美術館・博物館の所蔵作品から開発することである。研究3年目となる本年度は、計画通り、調査・プログラム開発・研究成果公開を行うことができた。具体的には次の通り。
海外調査:韓国の博物館(国立中央博物館、国立現代美術館、ソウル市立美術館)を訪問し、教育担当者と面談、施設見学と意見交換を行った。平成25年度に行ったオーストラリアの美術館教育に関する報告を、本年度学会発表し論文を提出した。 プログラム開発:国立美術館・博物館の代表的所蔵作品49点によるパイロット・プログラム「鑑賞教育キーワードmap」を、ウェブ上に設置した。これは、学習指導要領に基づく学習課題を、発達段階別にキーワードを設けて実際の作品に結び付けたもので、教員が鑑賞授業を考える際に役立つとともに、高精細画像など授業で使用できる鑑賞教材である。 研究成果公開:海外美術館の教育責任者をゲストにしたフォーラムシリーズ「コレクションと鑑賞教育」を4回行った。①オーストラリアの美術館教育の現場から(9/21)、②グッゲンハイム美術館のギャラリートーク(1/9)、③美術館の所蔵作品を活用した鑑賞教育の展開(1/10)、④ホイットニー美術館のギャラリートーク(3/12)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外美術館のスクール・プログラム調査に関しては、相当数の事例収集と分析を行うことができ、当初の計画以上に進展した。また、豪州と米国の主要美術館の教育責任者を招いた4回のフォーラムとワークショップを通して、その理論と実践を広く関係者に紹介することができた。特に第1回フォーラムは約100名、第2回フォーラムは約150名の参加者を得て、美術館学芸員、研究者、教員、美術館ボランティアなど、鑑賞教育に関わるさまざまな層に研究成果を還元することができた。 また、これらの調査結果も加味しつつ、国立美術館・博物館のコレクションによる鑑賞プログラムを開発し、ウェブサイトにアップすることができた。しかしながら、このプログラムの実践と検証のための充分な時間がなく、研究を延長して4年目の課題として繰り越すことなった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究4年目は、ウェブ・プログラム「鑑賞教育キーワードmap」に基づいて、小・中学校での鑑賞授業を行う。すでに複数の学校や研究団体から協力の申し出があるが、例えば東京都図画工作研究会との連携で、11月に授業を行う計画がある。これらの実践を通して、プログラムをより使いやすいものにする。 また、3年目に行った4回の科研フォーラムの記録を、ウェブサイト「鑑賞教育.jp」にアップし、公開する。
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Causes of Carryover |
計画調書に記した計画は、国内外調査、鑑賞教育プログラム開発、成果公開とも3年間で十分に達成できた。このうち平成27年1月にウェブ公開したプログラム(「鑑賞教育キーワードmap」)が好評であるため、研究をさらに1年延長して実践例を重ねて検証することをもくろみ、予算を繰り越すものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
パイロット・プログラム「鑑賞教育キーワードmap」に基づいて、小・中学校での鑑賞授業を行う。すでに複数の学校や研究団体から協力の申し出があるが、例えば東京都図画工作研究会との連携で、11月に授業を行う計画がある。これらの実践を通して、プログラムをより使いやすいものにする。未使用額は、これらの実践と分析、公開にかかる費用にあてる予定である。
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Remarks |
科研研究成果に基づくウェブサイト。国立美術館・博物館の所蔵作品によるパイロット・プログラムを含む。作品画像の著作権は、2018年1月までの許諾済み。 ウェブ設計:室屋泰三
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Research Products
(17 results)