2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24300323
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中谷 友樹 立命館大学, 文学部, 教授 (20298722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 桂司 立命館大学, 文学部, 教授 (30210305)
花岡 和聖 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (90454511)
井上 茂 東京医科大学, 医学部, 教授 (00349466)
伊藤 ゆり 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), がん予防情報センター, 研究員 (60585305)
田淵 貴大 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 特別研究員 (20611809)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地理情報システム / 健康地理学 / 社会医学 / 社会疫学 / 環境 |
Research Abstract |
地理的剥奪指標 areal deprivation index (ADI)は、貧困・剥奪の地理的集中を要約する小地域の地理的統計指標であり、健康水準や保健ニーズの地理的な社会格差を計測する基礎的尺度として用いられる。本研究の目的は (1)日本社会を対象としたADI諸指標の提案と、(2) 小地域(近隣地区レベル≒町丁字スケール)におけるADIと健康指標との関連性を近隣環境要因の媒介に着目した評価、の2点である。これらを通して、健康の地理学をめぐる学際的研究の推進とともに、日本における小地域統計を利用した統計の高度利用について検討する。 2013年度では、以下の研究を実施した。第1に、基礎的な地理的情報の整備を継続し、センサスデータの重み付き剥奪指標と空間的マイクロシミュレーションによる全国小地域剥奪指標の作成を実施した。第2に、重みつき剥奪指標として定義されたADIを利用した健康指標との関連性分析、がん統計資料を中心に実施した。大阪府のがん統計資料を用いた結果、生存率の小地域間格差はADIと明確な関連を示す点を、ノンパラメトリックな生存率解析や空間統計分析を通して明らかとした。第3に、複数の調査地域資料を利用して、GISを基準とする小地域の地理的環境指標と歩行、運動習慣等の関連についても検討を加えた。その結果、歩行習慣と小地域環境指標(Walkability)などの関連が確認されたが、認知的な環境指標に比べて関連が弱いことが確認された。また、これら環境指標とADIとの関連は調査地域では明確ではないが、広域的な分布資料をもって検討を加えることが1つの課題である。これらの研究の進捗状況については、2013年8月に京都で開催された国際地理学連合(IGU)京都会議において、applied geography と health and the environment の2つのcommissionの合同セッションを中心に発表を行い、海外の研究者を交えた討論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定された研究計画に従った研究実施がなされ、関連する論文、研究発表を進めることができた。とくにIGU京都会議では、当該科研の分担研究者によるまとまった研究成果の対外的な発信がなされた。
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Strategy for Future Research Activity |
運動と近隣環境の関連性については、その関連性の弱さについて、補足的な検討が必要と思われた。具体的には、個人の環境の選択や近隣環境の変化による問題、また具体的な運動実施の場所(近隣以外での運動など)に関する情報 である。これらを補足する資料については、昨年度補足的な調査を意図したが、調査実施者との関係で調査実施に至らなかったため、本年度の予算の範囲内で、補足的な情報の収集をはかるものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大きくは、一部の調査計画を変更して、運動環境については、新たな調査を追加実施することにしたが、予備的な意見交換に時間がかかり、調査実施の時期を遅らせたこと、研究代表者が所属する大学の予算で一時期海外に滞在したこともあって予定した海外旅費を次年度に繰り越すなどの変更がなされた。また、論文掲載料等も論文の掲載が予想より遅れるなど、個別の研究者の事情により、研究の全体的な進捗に影響しない範囲での繰越も生じた。 最終年度の当初の予算計画に加え、一部の追加調査実施と関連する分析作業に繰越予算を重点的にあてるほかは、基本的に当初の研究計画通り、最終的な研究成果の公開と全体の整理を進める予定である。
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[Journal Article] Perceived neighborhood environment and physical activity in 11 countries: Do associations differ by country?2013
Author(s)
Ding D., Adams M.A., Sallis J.F., Norman G.J., Hovell M.F., Chambers C.D., Hofstetter C.R., Bowles H.R., Hagstromer M., Craig C.L., Gomez L.F., De Bourdeaudhuij I., Macfarlane D.J., Ainsworth B.E., Bergman P., Bull F.C., Carr H., Klasson-Heggebo L., Inoue S., Murase N., Matsudo S., Matsudo V., et al.
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Journal Title
Int J Behav Nutr Phys Act
Volume: 10
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A community-wide campaign to promote physical activity in middle-aged and elderly people: a cluster randomized controlled trial2013
Author(s)
Kamada, M., Kitayuguchi, J., Inoue, S., Ishikawa Y., Nishiuchi H., Okada, S., Harada, K., Kamioka, H., Shiwaku, K.
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Journal Title
Int J Behav Nutr Phys Act
Volume: 10
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Development of Built-up areas and Walking Habits of elderly people in Kameoka City, Japan
Author(s)
Nagao, S., Nakaya, T., Yamada, Y., Yamada, M., Yoshida, T. and Kimura, M.
Organizer
IGU Kyoto Regional Conference
Place of Presentation
京都国際会議場(京都府、京都市)
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[Presentation] Associations between objectively-measured environmental attributes and physical activity among Japanese adults.
Author(s)
Inoue, S., Suijo, K., Nakaya, T., Ohya, Y., Odagiri, Y., Takamiya, T. and Shimomitsu, T.
Organizer
IGU Kyoto Regional Conference
Place of Presentation
京都国際会議場(京都府、京都市)
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[Presentation] Effects of land use pattern on spatial distribution of host-seeking mosquitoes within urban areas in Kyoto, Japan
Author(s)
Yonejima, M., Nakaya, T., Nihei, N., Tsuda, Y., Kobayashi, M., Watanabe, M. and Maeda, A.
Organizer
IGU Kyoto Regional Conference
Place of Presentation
京都国際会議場(京都府、京都市)
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[Presentation] 居住地に由来する差別の健康影響
Author(s)
田淵貴大, 中谷友樹, 福島若葉, 松永一朗, 大藤さとこ, 佐柳有香, 乾未来, 近藤亨子, 廣田良夫, 川野英二, 福原宏幸
Organizer
第24回日本疫学会学術 総会
Place of Presentation
日立システムズホール仙台(宮城県、仙台市)
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[Presentation] Cross-sectional and prospective associations of neighborhood built environment with leisure-time sitting for transport
Author(s)
Liao, Y., Shibata, A., Ishii, K., Inoue, S., Oka, K.
Organizer
第16回運動疫学研究会学術集会
Place of Presentation
独立行政法人 国立健康・栄養研究所(日本教育会館, 学術総合センター, 共立講堂(東京都、千代田区)
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[Presentation] 世界標準化身体活動質問票(GPAQ)第2版日本語版の作成
Author(s)
中田由夫, 井上 茂, 大河原一憲, 岡浩一朗, 小熊祐子, 高田和子, 田中茂穂, 田中千晶, 萩裕美子, 齋藤義信, 村瀬 訓生
Organizer
第24回日本疫学会学術総会
Place of Presentation
日立システムズホール仙台(宮城県, 仙台市)
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[Book] Evaluations and improvements in small area estimation methodologies2013
Author(s)
Whitworth, A., Aitken, G., Anderson, B., Ballas, D., Dibben, C., Heppenstall, A., Kavroudakis, D., McLennan, D., Malleson, N., Moon, G., Nakaya, T., Tanton, R., Taylor, J., Tzavidis, N., Williamson, P.
Total Pages
41
Publisher
National Centre for Research Methods Methodological Review paper, ESRC, UK
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