2012 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性微小環境の誘導機序および腫瘍免疫制御機序の研究
Project/Area Number |
24300325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大島 正伸 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (40324610)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 胃がん / 炎症 / 自然免疫 / 微小環境 / マウスモデル |
Research Abstract |
消化管腫瘍組織の間質には炎症性微小環境が形成され、発がん促進に作用していると考えられているが、同時に炎症性微小環境では「腫瘍免疫」が抑制されている可能性が示唆されている。本研究は、炎症反応依存的に胃がんを自然発生するマウスモデル(Ganマウス)を用いた解析により、炎症反応により腫瘍免疫がどのように制御されるのか明らかにすることを目的として実施している。平成24年度は、Ganマウス胃がん組織における免疫学的状況を免疫組織学的に精査した。胃がん組織ではCOX-2/PGE_2経路の誘導にともない、顕著なマクロファージ浸潤が認められ、同時に炎症性サイトカイン、ケモカインの発現上昇が認められた。これらのマクロファージはCD206陽性のため、がん組織に浸潤するTumor associated macrophage (TAM)と同様のM2様の性質を持つ細胞と考えられた。また、胃がん組織間質にはリンパ球浸潤も認められ、これらのほとんどがCD4陽性T細胞だった。また、浸潤したCD4陽性細胞にはFoxP3発現も認められ、制御性T細胞(Treg)が同時に浸潤していると考えられた。さらに、Ganマウス胃がん組織では免疫抑制作用のあるTGF-β発現が有意に上昇していた。以上の結果から、Ganマウス胃がん組織ではTGF-β発現とTreg浸潤により腫瘍免疫が抑制されている可能性が考えられた。そこで、TGF-βによる免疫抑制の解除を目的として、TGF-βII型受容体遺伝子(Tgfbr2)をタモキシフェン投与により全身の細胞で欠損するTgfbr2 (flox/flox) ROSA26-CreERマウスを交配により作製した。今後、このマウスからGanマウスに骨髄移植を行ない、腫瘍組織内の骨髄由来細胞でTGF-β経路を遮断し、腫瘍免疫の活性変化を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃がんモデルマウス(Ganマウス)の腫瘍組織におけるマクロファージ浸潤、Treg浸潤などの基本的な情報を得ることが出来た。また、TGF-βによる免疫抑制作用を解析するためのマウス交配実験も順調に進み、すでに目的の遺伝子型のマウスを作製することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したROSA26CreERマウスからGanマウスに骨髄移植を実施し、腫瘍間質の骨髄由来細胞でTGF-βシグナルを遮断したモデルを作製する。このモデルを用いた病理解析、生化学的・分子生物学的解析を中心に展開する。
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Research Products
(19 results)