2012 Fiscal Year Annual Research Report
小細胞肺癌のゲノムワイド網羅的解析による発生分子基盤の解明と治療標的の探索
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24300346
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
後藤 功一 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院, 医長 (90435719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 茂樹 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (80623967)
土原 一哉 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 室長 (00415514)
石井 源一郎 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 室長 (00270869)
江角 浩安 独立行政法人国立がん研究センター, 東病院, 院長 (70160364)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小細胞肺癌 / 全エクソン解析 / SNPアレイ / カタログ情報 / 候補遺伝子 / 臨床情報 / 網羅的 / 予後不良 |
Research Abstract |
1.対象症例の選択,ゲノムDNAの抽出 独立行政法人国立がん研究センター東病院の肺がんデータベースの中から、肺切除術が行われ、術後病理診断で小細胞肺癌と確認された症例を検索したところ、全体で70例が存在した。その70例の病理組織標本を再レビューし、ゲノムDNAの網羅的解析に足る程度の十分な量の組織が得られ、非腫瘍部と腫瘍部がペアで存在する症例を選択したところ、60例が抽出された。腫瘍部と非腫瘍部から、それぞれ60例ずつ、合計120例の検体からゲノムDNAを抽出したが、シークエンスに足る十分なDNAが得られ、腫瘍部と非腫瘍部がペアで存在する検体は55例(腫瘍部55例+非腫瘍部55例、合計110例)であった。これら55例の詳細な臨床情報の抽出も行った。 2.解析候補遺伝子の選別と候補遺伝子の選定 1.で選択された55例のうち、早期再発を認め予後不良であった10例(腫瘍部10例+非腫瘍部10例、合計20例)につき、全エクソン解析、SNPアレイを行った。この結果と次世代がん研究戦略プロジェクトの研究で得られた網羅的遺伝子解析の結果を統合したところ、日本人小細胞肺癌の遺伝子変異の詳細なカタログ情報が得られた。網羅的遺伝子解析によって得られた体細胞変異遺伝子群において、既知の細胞内シグナル経路へのマッピングや、遺伝子産物のもつ機能ドメインによる分類を行ったところ、小細胞肺癌症例で重複して異常が検出される遺伝子群が同定され、小細胞肺がんの発生に関連すると予想される候補遺伝子数個が抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小細胞肺癌の網羅的遺伝子解析により、小細胞肺癌の発生に関連すると予想される候補遺伝子群が同定されたため、平成24年度の研究の目的は概ね達成された。しかし、前向き凍結検体の収集が遅れたため、前向き凍結検体の網羅的解析は平成25年度以後に繰り越しとした。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞実験系を用いた遺伝子産物の細胞生物学的機能確認 別コホート(特に小細胞肺癌進行例)における候補遺伝子の変異解析 前向き凍結検体の解析
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前向き凍結検体の解析が25年度に繰り越しとなったため当該助成金が発生した。25年度中に追加する解析に必要な試薬等の購入に用いる。
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