2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24310008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 浩史 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50260518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 恒二 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80277871)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 炭素循環 / 生元素動態 / 海洋微生物 |
Research Abstract |
学術研究船白鳳丸によるKH-12-3次航海(2012年7月6日~8月16日)において、難分解性溶存有機物の鉛直分布パターンの南北海域比較と、および、それに対応した微生物群集組成の分布の調査に取り組んだ。難分解性溶存有機物に関する試料は、全18観測点の全層(平均25層)から試料を採取し、ガラス繊維ろ紙(Whatman GF/F)による濾過海水をガラスアンプルまたはガラスバイアル瓶に封入し凍結保存して陸上に持ち帰った。陸上の研究室にて、難分解性溶存有機物の指標の一つとして、紫外線領域の吸収スペクトルの測定を開始した。難分解性溶存有機物に由来する吸収領域における吸収係数から、難分解性溶存有機物の鉛直分布の海域間比較を明らかにする予定である。 一方、微生物群集組成の解析のために、3つの観測点(Stn. 1, 5 and 9)で9深度(0, 10, 100, SCM, 200, 400, 1000, 2000 and Bottom-50)から5Lまたは10Lの海水を採取し、孔径3.0μmと0.2μmのフィルターに連続的に濾過した。これらのフィルターからDNAを抽出し、微生物群集組成の解析を行うために、方法論的な検討を行った。従来法(PCR-DGGE法、クローンライブラリー法)に加えて、454シーケンサーによるディープシーケンス法の検討を行った結果、16SrRNA遺伝子の可変領域の一つであるV1-V2領域の配列を用いることで、効率的かつ従来法とも一致する群集組成解析ができることが示唆された。来年度は、これらの手法を用いて、KH-12-3次航海で得られた試料について、微生物群集の鉛直的な分布パターンを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
白鳳丸航海に乗船し、目的の試料を順調に採取、前処理を行った上で陸上に持ち帰った。陸上での分析にもすでに着手し、データも得られ始めており、おおむね順調に進展しているものと判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
白鳳丸によって採取された試料の陸上での分析を進める。一方、微生物炭素ポンプ機能の検証のために室内実験による解析を検討する。また、平成25年12月~2月に実施予定の白鳳丸KH-13-7次航海に参加し主として、南太平洋における試料を採取し、難分解性溶存有機物および微生物群集組成の解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
白鳳丸で採取した試料の分析の一部が年度を越えたために、それに必要な分析関連の消耗品代を次年度に持ち越して使用する予定である。
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Research Products
(4 results)