2012 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア熱帯雨林における群落スケールのハロゲン化メチル放出量と変動要因の解明
Project/Area Number |
24310016
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
斉藤 拓也 独立行政法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 主任研究員 (40414370)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 緑子 京都大学, 農学研究科, 助教 (90293919)
高梨 聡 独立行政法人森林総合研究所, 気象環境研究領域, 主任研究員 (90423011)
奥田 敏統 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (20214059)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 成層圏オゾン / 簡易渦集積法 / 塩化メチル / 臭化メチル / BVOC |
Research Abstract |
塩化メチルと臭化メチルは、活性なハロゲンを成層圏へ持ち込むキャリヤーとして、成層圏オゾン破壊全体の1/4に関与している。熱帯雨林は、塩化メチルの主要な発生源であることに加え、臭化メチルについても重要な発生源となっている可能性があるが、熱帯雨林におけるハロゲン化メチルの発生源・吸収源の多様性ゆえに、これらの発生源としての熱帯雨林の役割を正確に評価するには至っていない。そこで本研究では、微気象学的なフラックス計測手法である簡易渦集積(REA)法を初めてハロゲン化メチルに応用し、熱帯雨林の樹冠上におけるタワーフラックス観測を実施する。本年度は、メタンのフラックス観測用に開発・実用化されているREAシステムをベースに種々の改良を施し、ハロゲン化メチル用REA装置を構築した。メタン用システムからの大きな変更点として、高速でポンプのON/OFFを繰り返す方式から、ポンプを常時稼働させて、採取した空気を後段で上向き・下向きの空気用の大型バッグに振り分ける方式を採用した。これは、ハロゲン化メチルの損失・汚染のないポンプで、REA法で要求される高速応答性を持つものがないためである。また、電磁弁についてはコンタミネーションが見られたため、より不活性なテフロン製の接ガス部を持つものを採用した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ハロゲン化メチル用REAシステムの基本デザインがほぼ完成したが、野外試験を実施できていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ハロゲン化メチル用REAシステムを国内の森林サイトにおいて試験した後、マレーシア熱帯林でフラックス観測を実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
野外試験を実施していないため当該助成金が生じたが、次年度の野外試験で使用する。
|
Research Products
(3 results)