2014 Fiscal Year Annual Research Report
微小球状粒子の元素組成分析による東アジア越境汚染の長期時空間変動解析
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24310023
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
奥平 敬元 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (20295679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 淳 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 講師 (90514456)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 越境汚染評価 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,8月24日から29日までの6日間,香港の貯水池・内湾において柱状堆積物試料の採取を行った.現地での試料採取は香港大学の安原盛明准教授,島根大学の瀬戸浩二准教授の協力を得て行われた.採取した試料は,香港大学,島根大学,大阪市立大学でそれぞれ分析・解析を行っており,香港での化石燃料燃焼に伴う粒子状汚染物質の沈着量の変遷,また汚染物質の燃料種の時系列変化を明らかにする予定であり,その成果は今後随時公表される. 本科研費期間中の成果として,日本,中国,韓国,台湾を含む東アジア地域から採集された,堆積物試料中の球状炭化粒子(SCPs)の分析・解析結果から,以下の結論を得た.(1)日本のSCPsと韓国のSCPsには系統的な化学組成の相違はないが,中国,台湾とは明瞭な相違がある.(2)東アジア地域においては,SCPsの表面化学組成を用いてその排出国を推定することができる.(3)SCPsの輸送距離は,その粒径によって大きく異なり,10 µmより粗粒なものの多くは排出源の近傍10km程度に限られるのに対して,それ以下のものは数百km以上にもおよぶことがある.(4)日本海の離島(隠岐,壱岐,五島列島)は日本や韓国に比較的近いにもかかわらず,中国由来のSCPsの表面化学組成を持つ粒子が全体の40%程度を占め,離島などに飛来する粒子状汚染物質のうち,中国由来のもの一定の割合を占めることが示唆された.(5)SCPsは汚染物質の発生源を特定する上で有用であり,越境汚染の指標となりうる. また,本科研費期間中の成果の集大成となる論文(Inoue et al.)と総括論文(井上ほか)を公表した.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Chemical characteristics of Northeast Asian fly ash particles: Implications for their long-range transportation2014
Author(s)
Inoue, J., Momose, A., Okudaira, T., Murakami-Kitase, A., Yamazaki, H. and Yoshikawa, S.
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Journal Title
Atmospheric Environment
Volume: 95
Pages: 375-382
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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