2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24310037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安井 明 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DNA単鎖切断 / DNA修復 / ポリADPリボシル化 / エンド/エキソヌクレアーゼ / 癌治療 |
Research Abstract |
DNAの切断には単鎖切断と二重鎖切断がある。単鎖切断は最も発生頻度が高いが、効率よく修復されているために、余り重要視されて来なかったが、最近になって、単鎖切断の修復を阻害する事が癌の治療につながるとして、その修復機構が注目されている。単鎖切断は一般にPARP1で見つけられ,自身や周りの蛋白をポリADPリボシル化して、まずXRCC1をリクルートし、集ったXRCC1に修復酵素群が集積して損傷へのアクセスの場(スキャフォルド)となり、修復が進行する。最近、我々はPARP1と強く結合する機能未知の蛋白を単離し、それが、以前に単離したPALFと同じように、APサイトにニックを入れ、ギャップを産み出してPARP1を活性化する機能を持つ事を発見した。PALFと異なる点は、この因子の発現をsiRNAで抑制し、その細胞をMMSで処理して単鎖切断を与えると、細胞内で通常30分後に現れるポリADPリボースの出現が著しく抑えられ、さらに同時に細胞はMMSに感受性となった。その事は、この新規タンパク質は、ヒト細胞内で、単鎖切断が出来た後に(あるいは生じたAPサイトにニックを入れて単鎖切断を作り)PARP1を活性化する事を示している。PARP1の活性化にはニックでは不十分でギャップが必要な事が知られているので、この蛋白質をPACTEN(PARP-activating endonuclease)と名付け、その細胞内機能や酵素活性の詳細を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PARP1に結合し、APサイトにニックを入れ、さらに5'側にギャプを広げる新規のヒトDNAエンドヌクレアゼを単離し、PACTEN(PARP-activating endonuclease)と命名した。この酵素の活性を詳しく解析中であり、来年度には論文を発表出来る。また、DNA二重鎖切断に関与するクロマチンリモデリング因子でPARP依存的に修復に関与する因子を発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
PACTENの活性とその細胞内機能の詳細な解析を行い、十分に評価されるジャーナルに論文を発表する。さらに、この蛋白のPARP1の活性化制御の機能の解析を行い、細胞の癌化や癌治療への応用について検討する。
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