2013 Fiscal Year Annual Research Report
含塩素有機リン酸トリエステル類分解菌における分解経路とその調節機構の解明
Project/Area Number |
24310055
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
解良 芳夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00137168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 祥司 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90324011)
阿部 勝正 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (40509551)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 難分解性有害物 / 含塩素有機リン酸トリエステル / 微生物分解 / 分解酵素 / 酵素遺伝子 / 遺伝子発現調節 |
Research Abstract |
Tris(1,3-dichloro-2-propyl) phosphate (以下 TDCPP) や tris(2-chloroethyl) phosphate (以下 TCEP) などの塩素を含む有機リン酸トリエステル類は、難分解性で蓄積性もあり、種々の毒性を有する。我々が世界で初めて単離に成功した含塩素有機リン酸トリエステル類分解菌 Sphingomonas sp. TDK1 と Sphingobium sp. TCM1 に存在する初発分解酵素ホスホトリエステラーゼ(TDK-HAD 及び TCM-HAD)の発現調節機構と分解経路下流酵素をタンパク質レベル、遺伝子レベルで詳細に解析し、分解経路全体を明らかにすることが本研究の目的である。平成25年度は以下の成果を上げた。 1.TDK-HAD 及び TCM-HAD 遺伝子の解析により、ペリプラズム間隙への移行シグナルと推定される配列が見いだされた。大腸菌を用いて、当該酵素遺伝子組換え体の局在性を解析した結果、当該酵素はサイトゾル画分とペリプラズム画分の両画分で検出された。今後、発現条件等を再検討し、更なる解析が必要と考えられる。 2. TCM1 株の HAD 遺伝子の発現は、培養液中の無機リン酸濃度により転写レベルで制御されることを明らかにした。また、レポーターアッセイから HAD 遺伝子上流 186 bp がプロモーターとして機能し、無機リン酸応答領域を含むことを明らかにした。 3.TCM1 株のゲノム情報を明らかにし、無機リン酸濃度に応答して発現する遺伝子(Phoレギュロン遺伝子)の発現制御に関わる遺伝子群(phoR,pstSCAB,phoUとphoB)の遺伝情報を明らかにした。さらに、HAD 遺伝子が Pho レギュロン遺伝子であることを明らかにするため、転写因子をコードする phoB 遺伝子の破壊ベクターを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HAD遺伝子の発現が転写レベルで制御されることを明かにし、HAD遺伝子のプロモーター領域を特定した。また、無機リン酸濃度に応答して発現する遺伝子の発現を制御する遺伝子群の遺伝情報の取得に成功し、転写因子の破壊ベクターを作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究実績をふまえ、新年度当初に提出する科学研究費助成事業交付申請書の「本年度の研究実施計画」に記載する計画に従って、研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画時よりも、一般試薬類や遺伝子関連試薬類の使用量が少なく済んだこと、及び H26 年度交付予定の研究費がやや少ないため計画的に繰り越した分である。 H26 年度交付予定の研究費と合わせて、主に一般試薬類、遺伝子関連試薬類、使い捨てのプラスチック製品(チップほか)等の消耗品、研究成果発表旅費等に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)