2014 Fiscal Year Annual Research Report
含塩素有機リン酸トリエステル類分解菌における分解経路とその調節機構の解明
Project/Area Number |
24310055
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
解良 芳夫 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00137168)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 勝正 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40509551)
高橋 祥司 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90324011)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 難分解性有機物 / 含塩素有機リン酸トリエステル / 微生物分解 / 分解酵素 / 酵素遺伝子 / 遺伝子発現調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
Tris(1,3-dichloro-2-propyl) phosphate (以下 TDCPP) や tris(2-chloroethyl) phosphate (以下 TCEP) などの塩素を含む有機リン酸トリエステル類は、難分解性で蓄積性もあり、種々の毒性を有する。我々が世界で初めて単離に成功した含塩素有機リン酸トリエステル類分解菌 Sphingomonas sp. TDK1 と Sphingobium sp. TCM1 に存在する初発分解酵素ホスホトリエステラーゼ(TDK-HAD 及び TCM-HAD)の発現調節機構と分解経路下流酵素をタンパク質レベル、遺伝子レベルで詳細に解析し、分解経路全体を明らかにすることが本研究の目的である。平成26年度は以下の成果を上げた。 1.発現レベルを調節できる大腸菌発現系を新たに構築し、TDK-HAD 及び TCM-HAD の局在性について再度解析した結果、当該酵素の大部分はサイトゾル画分で検出された。 2.TCM1 株からホスホジエステラーゼを単離・精製し、酵素学的諸特性を解析した結果、当該精製酵素標品は、TDCPP や TCEP などのハロアルキル有機リン酸トリエステル類の分解過程に関与できることが示された。 3.TCM-HAD 遺伝子プロモーターの欠失解析により、遺伝子上流 -37 bp から -75 bp の間の 39 bp領域がプロモーター活性および無機リン酸濃度に依存した発現制御に重要であることが示された。 4.TCM1 株のゲノム配列から4つの推定アルカリ性フォスファターゼ(ALP)遺伝子を見いだした。大腸菌での発現と各遺伝子破壊株の解析から、2つの ALP が TCEP 分解過程に関与することが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハロアルキル有機リン酸トリエステルの分解過程に関与するホスホジエステラーゼ、アルカリ性フォスファターゼに関する新たな知見が得られたこと、TCM-HAD 遺伝子のプロモーター領域の解析が順調に進んでいること。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究実績をふまえ、新年度当初に提出する科学研究費助成事業交付申請書の「本年度の研究実施計画」に記載する計画に従って、研究を推進する。
|
Causes of Carryover |
計画時より一般試薬類や遺伝子関連試薬類の使用量が少なく済んだこと、及び、最終年度のH27年度に研究費が多くかかると予想されたため計画的に繰り越した分である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度交付予定の研究費と合わせて、主に一般試薬類、遺伝子関連試薬類等、近い捨てのプラスチック製品等の消耗品、研究成果発表旅費等に使用する予定である。
|
Research Products
(11 results)